先日、授業の進度を確認したり、期末テストの範囲や難易度を話し合うためのプチミーティングみたいのがありました。


集まったのは私含め数人の非常勤講師、そして専任教員が1人です。


この専任教員というのが、これまでたびたびお話ししてきた入社二年目の気の強い女の子なんですね。

自分もミスしてたびたび私ら(非常勤講師)を振り回してるくせに、なんかあるとプンスカした態度や、ガチギレしてくる子です。


一応専任教員が「主」で、非常勤講師は「従」みたいなところあるので、正直、この子の下でやるのは嫌だなーとちょっと思ってます。




…でも、ふと立ち止まって思い返すと、私もかつて若くてピチピチだった頃に、職場の30〜40代の気難しいオバハンに嫌味とか言われてムカついたりしてました。アレレ??今の私ってこのオバハンと同じですか?!?!


ヒェーーー!ホラーです!


あのころあんなに、「私はあんなババアのようにはなるまい」と思っていたのに、いつの間にか若い子のやることなすことが気に触るババアになってしまいました。反省、反省!!


お説教とかはしていませんよ。結局立場が向こうのほうが上?ですからね。でもチクチク態度に出ちゃうのがババアですからね…気をつけないと。




話を戻し、ミーティングです。生徒たちの授業態度の話になりました。まぁ、あまり良くないんですね。スマホや居眠りはまだいい方で、立ち歩きとか教室から出て行っちゃう子とかいます。こういう子たちはお勉強はあまりできないので、授業態度や提出物で「救済措置」をしてなんとか成績をつけていきます。ですが、今年は「救済の余地なし」勢が何人かおり、そういった子たちの情報を共有していました。


こういう子たちの存在を非常勤講師の中でブラックボックス化すると、あとで留年や成績不良となった時に全責任を問われる可能性があります。私立学校の教員は自分の立場を守るために非常勤講師に全てなすりつけてきますよ。彼らは学校という会社で働くサラリーマンですからね。

また、非常勤講師ってたまにあまり常識ない方がいらっしゃるので、独自の謎対応をしちゃって大問題になったりする状況を何度か見てきました。「ホウレンソウ」は大事ですよね…。(私は若い頃に別職種で痛い目見てるので、ホウレンソウは大丈夫…なはず)

私の担当クラスは初期からヤバめな雰囲気あったので、すでに何度か担任の先生に報告・相談しています。



で、話を聞いてると、この専任教員の女の子は、こういった不真面目な授業態度の生徒が絶対許せないそうで、「なんのために学校通ってるのかわからない、やる気がないならやめればいいのにと思う」と堂々とおっしゃるのです。

そして彼女は昨年度、不真面目系の生徒たちを、厳しい「正論」で指導しようとしたそうで、授業は崩壊、嫌われて口も聞かない関係になっているんだそうな…。特に女子(ギャル集団)とは相性最悪だそうで、「改心しないなら、救いようがない」そうです。


それで、その専任教員の女の子と合わないヤバめメンバーを集めたクラスが今年度私の担当になっているということらしい。な、なるほど…どーりでビーバップハイスクールみたいなクラスだと思ったわ…。

彼女にとって、彼らは腐ったミカンみたいな感じなのかな…。



ここからは私の考えなんですけど…


授業態度が不真面目だからといって、その子の人格までが悪いというわけじゃないんですよね。なんせまだ思春期ですから、厨二病的な謎行動とか、ただ単にやる気が起きないとか、ガリ勉カッコワルイ、センコーに反抗するあたいカッケーみたいな思考とかで、不真面目ムーブしてる子もいるんですよね。


授業中に教室から出ていくなんて、確かにトガッてます。女子なら天真爛漫な天然ちゃんで可愛いかも…。尾崎豊の歌的なカッコよさがあるというのもわからんでもないです。世間に迎合しないオレサマってやつですね。先生や真面目にやっている友人からどう思われているとかも、大して考えていないのでしょう。


私も高校時代は堕落の極みでしたから、よくわかるんです。真面目にやろうとしても、できなかったんですよね。なぜなのか自分でもわかりません。

でも、あのとき私がサボったり勉強放棄したりしても、呆れつつも優しかった先生が何人かいたんですよね。別にそのおかげで更生したり感謝したりとかは全然なかったんですけど(←オイ)、そういう先生の存在は学校を安心できる場所にしたと思ってます。ダメなところを徹底的に矯正しようとトコトンやる学校だったら、私みたいなのは居場所がなくて苦しかったでしょうね。


不真面目で顔面ピアスだらけ、涙袋の線を黒いラインで大胆に描き、ハクビシンのようなノーズシャドウをキメテいるとんでもない生徒も、話すと普通のいい子です。そして、彼ら彼女らには高校卒業してからも長い人生があります。その人生を考えたら、高校でうちのめして絶望させるようなことはしちゃいけないと思うんですね。


保護者目線でもそう思います。どんな子も、親御さんにとっては大事な存在で、幸せになることを願われています。難しい子を育てていると、毎日学校行ってくれるだけでも親はとても安心します。うちは知的障害児がいるからなおさらそう思う、というのもありますけど、普通のお子さんをお持ちの方だって同じだと思います。楽しく過ごして卒業してくれて、次の進路が決まってれば、もう言うことないですよ。


ということで、これはなにが正解かという話じゃないと思います。生徒の数だけやり方もあるでしょうし、真面目な子からすれば、不真面目勢にはとことん厳しくしてもらわないと面白くないでしょう。一教科を担当しているだけの私には踏み込めない領域もあります。専任教員の彼女にもわかってもらうつもりもないです。


ただ、忍耐と寛容さは忘れないでいたいな、と。教育って難しいなと思います。


まぁ、うちの息子だったらひっぱたき(誇張ではなく)ますけどね、ダブルスタンダードもいいとこですな。