【時をかける】





ふと、町を見渡せる坂の上で、

ずっと引っかかっている言葉を思い出した。

「時間は過ぎていくものじゃなく、やってくるもの」

同時に、ハードルをどんどん乗り越えて走る、障害物競走の選手の映像が

頭に現れた。

ひょっとしてああいうことかもしれない。

やってくる時間に対して、どんどん向かって行くのだ。

そして、何やかんやを乗り越えていくのだ。

じっとしている場合じゃないゼ!




先日、小さなクラブで友達のライブを見た。

恐ろしくかっこよかった。

悔しくて、沸々とマグマがあふれ出す思いがした。

こうしちゃいられないゼ!

そう思うと、いても立ってもいられない気分になった。




原田知世主演映画【時をかける少女】は、大好きな映画の1本だ。

全てが完璧な映画だと思っている。

少女から大人になっていく微妙な心の揺れが、タイムリークを通して

見事に描かれている。

その映画の後半に、上のセリフが出て来る。

わかったような、わからないような感じを持ちながら、何年もの間、

時々頭をよぎっていた。

だが、今の自分の心境が、その言葉の意味を、

やっと、ちょっぴりわからせてくれたような気がする。