【宇宙エレベーター2050】


新聞見たら「なぬー!」と目が飛びだした。
・・・エレベーターで2050年宇宙の旅・・・
「ついに来たか!」
オレはテーブルの上に覆い被さった。
手をついた新聞がクシャっと音をたてる。


宇宙科学ロッカーのオレとしては、こんな記事に出会うと最高に嬉しくなっちまう。
記事によると、
ゼネコン大林組が2050年に実現させる、と書いてある。
「大林君、君は偉い!オレはこういう事を君から聞きたかったのだ!」
続けて読む、
エレベーターの全長は月までの約4分の1にあたる9万6千キロ。
「月まではまだつなげないのか!?」
3万6千キロの部分にターミナル駅を持つ。
「おうおう、ターミナル駅か、おっしゃあ!」
そこには実験施設や居住スペースを整備する。
「何!居住スペース!?浮かぶ分譲住宅地でもできるのか?
宇宙の金曜日の妻たちってドラマができたらどうすんじゃ!」
そこまで時速200キロで片道7・5日かけて地上と往復。
「何!そんなにかかんの!?」
駅周辺で太陽光発電。
「そりゃあそうだろう、太陽光に決まっとるやんけ」


2050年、地球は宇宙エレベーターの建築ラッシュに沸く。
そしてさらに50年後、太陽系の星々は宇宙エレベーターでつながり、
光と同じ早さで移動する光子力トレインがその中のパイプを突っ走る。
ロケット不要で惑星間を行き来して、人類の住みかはついに、太陽系の惑星に
広がるのだ。
「お前今年は帰るのか」
「ハイ、31日の最終便の冥王2号で土星に帰ります。それじゃあ、また来年。
先輩もよいお年をお迎え下さい」
おい、おい、宇宙時代がオレの頭にパッと見えちゃったよ。
どうするよ、すごいな。


記事を読んですっかり興奮したオレだった。
しかし2050年ってオレいくつだ!
まあ、考えるのはよそう。
きっとその頃オレは、サイボーグの体を手に入れて、寿命は500歳くらいに
のびているだろうから、考える必要もないだろう。
ただ、2050年を楽しみに待っていればいいだけさ。
オーイエー。