【宇宙戦艦ラブその2―赤い太陽】


太陽が真っ赤に燃えている。
その太陽を背にして、赤い宇宙戦艦が地球へ向かう。
いよいよ最終決戦!


真後ろからの太陽光が、目の前の宇宙を明るく照らしていた。
そこにくっきり地球が浮かぶ。
オー!月はまるで真空に浮かぶでっかいゴルフボールのようだゼ。
それを見ていると、突然思い出した。
ズッギャアーン
激しい爆発音と青い閃光がオレの脳裏によみがえる。
去年の初めに、狼惑星で新しく搭載した武器の破壊力は凄まじかった。
数々の戦いでその威力は炸裂した。
しかし、新兵器ゆえの欠点がそこにある。耐久性に難ありだ。
だが、狼惑星の優秀な科学者は、この一年のデーターをもとにさらに研究を重

ね、ついに完璧なるわが宇宙戦艦の姿をはじき出した。
地球の人よ!戻らねばならぬ、地球から69億光年の彼方にあるわが故郷の星に。
わが宇宙戦艦が、さらに激しいパワーを持つために。


しかしそれはすべて、最終決戦の後の話だ。
オレには残された使命がある。
あの地球の地にロックンロールというエネルギー波をまき散らし、
次々とその場所に巨大なブレイドを突き立てて行くという使命が。
オレはアクセルレバーをグッと握りしめると、それを静かに押し倒していった。
宇宙戦艦がジリジリと加速していく。
目の前の地球がどんどん大きくなっていった。
愛と勇気とロックンロール!
闇を切り裂け!
太陽よ!真っ赤に燃えろ!
星よ!ジェットに輝け!
宇宙人よ!オレを愛せ!
宇宙美女よ!オレに祝福の接吻を!
巨大な宇宙戦艦と化した不動の愛が、今、君の大気圏を破る!


シューン
いきなり流星がすれすれに横切った。
オレは目ん玉をクワっと見開く。
「ふう~、あぶねえ、気をつけろ、炎と氷になるのだ」
オレはもう一度目の前の地球を見据えて、操縦桿を握りなおした。
おりゃあ!待っとれ地球!


ちょっと遅いけど、
あけましておめでとう!
前に進んでいこう。
ヨロシク