都立野津田高校吹奏楽部 | Mad-Guitar木村のブログ

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1966年からのクラシック・ギター狂いの放談

第一回定期演奏会を聞きに行った。
ご近所の高3の息子さんが出演したからだ。
2卵性の双子の一人で、もう一人は別の高校でエレキ・ギターを弾いているらしい。
彼らが小学校中学年の頃、3軒奥に引っ越してきた。彼らの祖父母と同居するためだ。
娘の1年上。色んな学校行事で顔をあわせたりして、それぞれの成長を互いに見守ってきた。
彼らの父親はオカリナを演奏する人で、いつか私のギターと合わせたいと言って来たときにはじめて聞いたが、最初の音を聞いただけで、只者ではないことが分かったくらい、本格的な演奏をする、名手だ。
このような父親の影響かどうか、二人とも趣味で音楽をやっているようだ。

さて、野津田高校吹奏楽部。
同好会からクラブに昇格して3年目でようやく第一回目の定期演奏会に漕ぎ付けたということだ。

たっくんというこの子が担当するのは、Tubaという、とんでもなくでかい、低音担当のラッパだった。
耳をすますと、ぶかぶか、ぼこぼこ鳴ってるのがこの楽器らしい。

演奏会は3部構成で、休み無しでぶっ飛ばす!
若いクラブで、人数も少なく、苦労の末の定演開催であったことが、なんとなくわかる。
第一部こそ現役部員のみでの演奏だが、第二、第三部は先輩、指導者たち(プロ奏者)、学内の音楽趣味人(教員で音楽を趣味としている人)などを助っ人に頼んでの大人数構成。

実は、色んな思いが混ざって、涙をこらえながら聞いていた。
ひとつは、私自身がかつて大学で演奏会を開いた経験があり、しかも第一回目ということで、その苦労が分かりすぎるくらい想像できたこと。
二つ目は、小さい頃からの成長を見守ってきた子だから、その舞台姿が我が子のように感じられたこと。
三つ目は、第一回とはいえ、その演奏はかなりのレベルに達していて、十分楽しめたこと。
記念すべき第一回目の定演を残して卒業していく3年生はわずか5人。

最終ステージの最終曲の途中で後輩からプレゼントを贈られて、女子部員が泣き出したのも、こちらの涙を誘う。
しかし、その直後、演奏に戻って、それぞれがソロを披露した時には、しっかりとその役目を果たしたのは、立派であった。

終演後、席を立って後方の出口に向かいかけたところで、ご両親と双子のもう一人の家族に鉢合わせ。お母さんは目を真っ赤にしていた。

私の目も赤かったと思う。

ほのぼのとした気分で会場をあとにし、駅までの遠い道を、余韻に浸りながら、20分かけて歩きました。