【プロローグ】
邪悪なエイリアンから地球を守る為に様々なギターアンプやエフェクターを武器に数十万年も戦い続けているダー博士だが、新たに兵器を投入し、衝撃の事実を知ることになる。果たしてダー博士はエイリアンから地球を救うことが出来るのか!?そして新たな兵器の実力は!?


ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
(宇宙船が通り過ぎる音)




まずはことの発端から・・・



いや、不満は無いのです。

うちのMarshallフルチューブアンプ
 MHZ15(Haze15)ね。



コンセプトは

「クラシックとモダンの融合」で


クラシックな1-VOLUMEのチャンネルと

現代的なハイゲインのチャンネルに加えて



デジタルリバーブとデジタルエフェクト(ディレイ、ビブラート、コーラス)を装備していて


リバーブとデジタルエフェクトは併用可で

それぞれの設定をチャンネルごとに記憶する


チャンネルとエフェクトのON/OFFはフットスイッチで切替え可能。



プレキシマーシャルの音も

Youtubeでのレビューで聴けるプレキシの音と比べてかなり似たサウンドが出せるし、


ブースターをかませばレクチ系のモダンハイゲインも出せる。



本当に良いアンプで気に入ってます。



しかし、



あまり普及していなくて

少ないネットでのレビューは

「音がこもっている。」など

人気があるとは言えないので、



それを気に入っている自分は、

あたかもMarshallの良さを分かっていない人であるかのように思われてしまうのではないか?

という心配事を抱えて銀河系の中を周回しながら生きているわけです。



しかし、私は思うのです。


確かに私は、典型的なMarshallサウンドはかなり高音がキンキンして硬い音なので好みではなく、音作りに苦労していたし、それは周りのユーザーもそういう意見が多かったので、


「高音キンキン」という欠点が改善された時代のアンプなのだと認識しているのです。


つまり、「音がこもっている」とい不満の意見を言う気持ちも分かる反面、

「高音キンキン」が良いという昔の人の意見は気にすることは無いだろう、と。


また、本来の初期のMarshallは高音キンキンというわけではなく、

JCM800の途中から高音キンキンになったと思います。


そして、

JCM900かJCM2000くらいからは

既に高音キンキンは改善されて

ドンシャリやレクチ系のトーンに寄せられていったので、


現在のMarshallサウンドというのは

もう昔のMarshallサウンドとは違うわけです。



そこで、



現在のMarshallサウンドとして人気のあるDSLシリーズをうちのMHZ15(Haze15)と比較する為に


DSL20Hを購入しました。

上段=DSL20H

下段= MHZ15 (Haze15)



ちなみに、

DSL20Hは2020年に仕様変更があって

2022年11月以降に出荷されたものには

「クィックスタートガイド追補版」

が同梱されているので、

ずっと「在庫あり」のお店を避けて

今年入荷したお店で購入しました。



無事に「クィックスタートガイド追補版」を入手しました。

(ただの紙切れ1枚でした。)





ということで




比較した結論から言うと・・・



あらためてMHZ15 (Haze15)の良さを再認識させられました。



とはいえ、

せっかくDSL20Hを買ったのに無駄だったとは思いたくないので


どちらも一長一短で、両方とも持っていればお互いの欠点をカバーし合えるので買って良かったと思います。

ということにします。



ただ、

私から見てDSL20Hが少し残念に感じてしまうのはMHZ15 (Haze15)が良すぎるからであって、

一般的にはDSL20Hは良く出来ていて使いやすくて満足出来るアンプだと思います。



具体的には、


まず「MHZ15は音がこもっている。」という評価が見られる件については、

DSL20Hもほぼ同じようなトーンなので

やはり「高音キンキン時代のMarshallに比べて」ということのようです。


例えるなら、

カラッとしたアメリカン・ハードロックをやる人が、デスメタルの似合うレクチ系アンプを使ったら「音がこもってる」と思うでしょう。

そういうことです。


で、一応Marshall社もその辺は分かっているので

DSL20Hは「Tone Shift」というスイッチで

高音キンキン時代のトーンっぽくすることが出来るようになってます。ただし、あのクセのある高音キンキンJCM800の音や操作感にはなりません。




似たような仕組みはMHZ15にもあって

「Bright」というスイッチがあります。

これも高音キンキン時代のトーンになるわけではないので、これが良いかどうかは微妙です。



よって、

「Tone Shift」と「Bright」の対決はドロー。




そして、


実は一番確認したかったのは

MHZ15の2つのチャンネルは

DSL20Hの2つのチャンネルのどちらかに該当するのか、それとも全く別物なのか、です。



まずMHZ15は

1-VOLUMEのチャンネル(Normal)と

GAIN付きのチャンネル(Overdrive)があります。




DSL20Hは

CLASSIC GAINのチャンネルと

ULTRA GAINのチャンネルがあり、

両方ともGAIN付きです。



それでですね、


1-VOLUMEには1-VOLUMEの良さというのがありまして


GAINを上げて作る歪みとVOLUMEを上げて作る歪みは似てて非なるものなので、

1-VOLUMEが装備されていることはとても大きな利点だと思います。


特にMHZ15 (Haze15)の1-VOLUMEは

昔の1-VOLUME時代の歪みを再現出来ていると思うので、

DSL20Hに1-VOLUMEが無いのは残念です。


1W版のDSL1Hはクリーンが1-VOLUME仕様なんですけどねぇ。


そして、

1-VOLUMEとGAIN付きを比べるのは

ボクシングとプロレスを比べるくらい種類が違うのですが、

MHZ15の「NORMAL」チャンネルと

DSL20Hの「CLASSIC GAIN」チャンネルを

クリーンチャンネルと捉えた場合、


1-VOLUMEのクリーンは温かみがあって、

GAIN付きで出すクリーンはGAINを0には出来ないからか、少しギラついたクリーンになるんですよね。


もちろんどちらが良いかは好みの問題ですが、

MHZ15なら1-VOLUMEのクリーンもGAIN付きで出すクリーンも両方使えるので、


やはりここもMHZ15 (Haze15)の方が勝っていると思います。


なお、DSL20Hの「CLASSIC GAIN」は

GAINをフルにしても歪みはかなり弱いので

昔のGAIN付きやMASTER VOLUME付きの歪みを再現しているわけでもなく、1-VOLUMEのVOLUMEをフルにした時の歪みを再現しているわけでもないですね。


ULTRA GAINとの差別化をはかる為に極端に差を付けたのかな?



歪みの強さをチャンネルごとに線で比べるとこうなります。



MHZ15の「NORMAL」は1-VOLUMEなので歪みの種類が別格ですし、

全てが異なるチャンネルであり、

MHZ15のチャンネルがDSL20Hのどれかのチャンネルに該当するものでは無いということが分かります。


また、MHZ15のOverdriveをフルにすると

DSL20HのULTRA GAINを真ん中にしたのと同じ歪み量になりますが、

ULTRA GAINはは真ん中でもバッキングであれば充分にモダンハイゲインになり、真ん中からフルは歪み量的には少し加わる程度なので、


MHZ15のOverdriveよりも

DSL20HのULTRA GAINの方が

少し歪みが強いとい感じです。


とはいえ、その差はブースターが要るか要らないかくらいの差があり、

DSL20HのULTRA GAINはバッキングだけならブースターは不要で、

MHZ15だと、気持ちよくモダンハイゲインにするにはブースターが必要です。


ここはさすがULTRA GAIN。

エフェクター無しで完璧なレクチ系モダンハイゲインが出せるDSL20Hは凄いです。


でも、ULTRA GAINのモダンハイゲインだと、バッキングは完璧ですが単音(ソロ)が私の好みの音にはならなくて、


あえてアンプの歪みを抑えてからエフェクターでブーストした方が出したい歪みになるので、


ULTRA GAINが必要かというと、

必要無いと思ってしまうんですよね。


私の知る歴代ギターヒーロー達も

ULTRA GAINが無い時代のMarshallで

エフェクターでブーストさせていたので

そこを目指しているんでしょうね。


まぁ、そこは好みの問題ですね。



あとは

MHZ15のリバーブはよく効きますが

DSL20Hのリバーブは何故か弱くて、


DSL20Hのリバーブをフルにしても

MHZ15のリバーブを真ん中より少し上あたりくらいしかかかりません。


場合によってはDSL20Hはエフェクトループでリバーブやディレイを繋ぐ必要があります。


MHZ15には冒頭で説明したようにデジタルディレイが併用出来るように内蔵されているので便利です。


歪みはわざわざエフェクターでブーストする方がいいのに、空間系は内蔵のものが便利だなんて、都合によって利点を分けていてずるいですよね笑


でも、そういうものなんです。


歪みはフルチューブだと言っている人でも

空間系はデジタルでいいという人は多いです。


楽しいですね。



あとは、


DSL20Hは10Wと20Wを切替えられますが

何故か20Wにすると、VOLUMEを0に絞っても常に「シャーーー」っていうホワイトノイズが出るのが気になります。


ネットのレビューでもDSL20Hはリバーブの効きが弱い件とホワイトノイズが出る件は書かれていたので覚悟はしていましたが、やはりその通りでした。



というわけで、


既にMHZ15(Haze15)を持っている私にとっては、特にDSL20Hは必要無い感じになりますが、


MHZ15には無いエフェクトループとEMULATED OUTがDSL20Hには付いているし、


実際に比べてみないと分からないことがあってここ何年もずっとモヤモヤしていたのが解消されたので、買って良かったと思います。


(と自分に言い聞かせることで無駄な買い物をしたと思わないようにしている。)



うーむ。