YAMAHAのギターアンプF50-112の修理をしています。
これはプリアンプ基板の電解コンデンサとトランジスタを全て抜き取ったところです。
交換するトランジスタたち。
F50-112の修理の様子は後日、HPの修理記事として詳しく掲載する予定で、ここで詳しく説明しちゃうと内容が重複しちゃうのであんまり書けないんですよねー。
(><)
さて・・・
F50-112の修理を優先的にやらせて頂いてまして、合間に休憩ということでTS808の改造をちょろっとずつやってます。
TS808は部品を数点交換するだけなので作業としてはすぐ終わっちゃうものなんですけど、ただ交換するだけじゃなくて違いを確認しながらやらせて頂いております。
ストラト(シングルコイル)でこのセッティングで比べるのが違いを一番感じやすいです。
これは言い換えると、可変抵抗器が全て可変のカーブの途中の位置なので、
TS9とTS808の違いというよりも可変抵抗器の許容誤差による違いである可能性が、あるというか高いというか。
もっと言うとこれらのエフェクターはエフェクトがOFFの時でもバッファ回路だけは通るので、
「前にバッファを繋いだTS9」と
「後ろにバッファを繋いだTS808」
を比べていることになります。
まぁそこまで気にしなくてはならないほど僅かな違いであるということです。
あと前回の記事で言ったやつですが、
やはり睨んだ通り出力側の100kΩも交流的に見て合成抵抗でエミッタフォロワのトランジスタのエミッタ抵抗と捉えてよいようです。
「定本 トランジスタ回路の設計」の69ページにそのような捉え方が載っていました。
そうすると、
TS9のエミッタフォロワの出力インピーダンスは
10kΩと(470Ω+100kΩ)の並列合成抵抗で
1÷(1/10k+1/100.47k) = 9.1kΩ になり、
TS808のエミッタフォロワの出力インピーダンスは
10kΩと(100Ω+10kΩ)の並列合成抵抗で
1÷(1/10k+1/10.1k) = 5kΩになります。
一般的なギターアンプの入力インピーダンスは数百kΩ〜1MΩですので、かなりのロー出しハイ受けになり、この4.1kΩの差はかなり小さくなります。
500kΩや1MΩの可変抵抗器を測定器を見ながら4.1kΩ分つまみを回すのも困難なことから考えても、つまみの位置で4.1kΩの違いを音で確認するのは至難の業です。
なぁーんて、こんな話をしてると
感性で違いを楽しむことが出来なくなってしまいますよね。
でも、
今このTS9とTS808の音が同じなら同じでいいと思うんですよ。
だって、
肝心なのはパーツを交換する前と後での違いですから。
ちなみにどちらも新品購入時のままの状態ですので、TS9とTS808の基板を見比べてみましょう。
ダイオードとオペアンプは
TS9が1SS133とJRC(NJM)4558D
TS9が2SK30Aで
積層セラミックと2SC1815-BLです。
徹底して汎用部品を使用しています。
TS9は見慣れないマークの可変抵抗器です。
「ゴタゴタ言っとらんでとっとと交換せんかい!!」
っていう感じですよね💦
では・・・
オペアンプは最後の楽しみにとっておいて、まずはダイオードを交換してみました。
1SS133を1S1586に交換です。
なんと、前回の記事で測定した通り順方向電圧が同じなのに、いきなり音が変わりました。
まぁ交換前の比較でもTS9の方が張りがあるとは言ってましたが、それが分かりやすくなった感じです。
TS808の方が歪みが減り、音量も小さくなりました。
大人しくなったというか性格が丸くなったという感じです。
でもまさか、オペアンプが歪んで張りが出る方向になってプラマイゼロになるなんてことはないですよねぇ?笑
よーし、今日はここまで。
気温が少しずつ暖かくなってきました。
例年通りでいくと3月11日〜15日頃にかめ吉を冬眠から起こしますが・・・
今年はまだゴソゴソ音がしないなぁ・・・
うーむ。