今日のセッティング。

トランジスタアンプのMarshall Lead12とフルチューブアンプのMarshall MHZ15(Haze15)で好みの音が出るセッティングを探して遊びます。



Marshall Lead12の場合は、



GAIN=9、T=0、M=2、B=5、で



TS9を足してD=0、T=0、L=10、です。

バッキングだけならTS9無しでも妥協は出来ます。



Marshall MHZ15(Haze15)の
Overdriveチャンネルの場合は、



B=5、M=5、T=5、GAIN=7、で



TS9をD=0、T=0、L=10、です。

バッキングだけならTS9無しでも妥協は出来ます。



Marshall MHZ15(Haze15)の
Normal(クリーン)チャンネルの場合は、




B=5、M=5、T=5、で




DS-1をT=9時、L=12時、D=フル





これでだいたいみんな同じ音です。

だいたい私の好みの音です。




つまり、



Lead12は昔のMarshallの特徴でもあるキンキンしたカン高い音がするのでトレブルを0にしてミドルも下げる必要がありますが、



MHZ15(Haze15)は「Marshallはキンキンしてカン高い」というユーザーの声を汲み取って改善した(と思われる)モダンな仕様なので高域を絞る必要がなくなった。と言えると思います。

それゆえ、ネットでは「MHZ15は音がこもっている。」というレビューも見かけます。

まぁキンキンしたMarshallサウンドを基準とすれば、あながち間違いではない感想だと思います。


(時代とともにギタリストの好みの周波数帯域からキンキンする高域が除外されてきたのは、CDなどのレコーディングされた音源の中のギターサウンドを聴いて真似してきたギタリストが多いからだと思います。つまり、みんながCDを聴いてかっこいいと思って真似したギターの音は、加工された後の音であり、実際のギターアンプから出ている音よりも高域が削られているということです。)




ところで・・・


Marshallは常に時代の変化に対応して進化してきました。

N.W.O.B.H.M.の波に乗って台頭してきたギタリスト達は、「(今までの)Marshallじゃ歪みが足りないぜ!!」と言って、Distortion+やOD-1、SD-1、TS9などで歪みをブーストさせていたわけです。


多くのプロのギタリスト達は、Marshallの歪みに満足していなかったのです。


また、「Marshallはキンキンしてカン高い」と思う人は、私も含めて多くいましたし、より激しいドンシャリ系〜MesaBoogieのレクチ系の音が流行り出すと、Marshallもそれを追いかけてきました。



やはりそういう時代背景を振り返ってみても、かなり長い間、「真空管による歪みが本物であり、エフェクターによる歪みはそれを真似た偽物である。」と言われてきたのは間違いであり、

求められていた歪みは、真空管の歪みかエフェクターの歪みかということではなく、「ああいう歪みの音」であり、

まだMarshallのアンプでは理想の歪みが作れなかった頃からジャズコーにDS-1、あるいは歪みの足りないMarshallにOD-1やTS9という組み合わせで作れていたような「あの歪みの音」

Marshallが真似して追いかけてきたのです。



少なくとも、ジョー・サトリアーニは偶然にも私と同じくMarshallはトレブル=0で歪みはDS-1で作る派でしたし、
足りない歪みを補う為にエフェクターを使っていたと思われていたランディ・ローズやイングゥェイ・マルムスティーンも、Marshallはクリーンにして歪みはエフェクターで作っていたとの事です。


まぁMarshallでは足りないからエフェクターで補っていたというだけでも、理想の音はエフェクターで作られていたということが言えると思います。


べつに真空管の歪みよりもエフェクターの歪みの方が良い音だと言っているわけではありません。


道具は道具、音は音。


良し悪しは「音」で決まるのであって、求められているのは常に「理想の、ああいう音」なのです。

(音作りが上手く出来ない人は、自分で理想の「ああいう音」を自分でイメージ出来ていないから目標地点が定まらないことが原因だと思います。)



よって、

「Marshallらしい音」というのも、「音」で判断するものであり、「音」についての呼ばれ方なので、真空管でなくてもMarshallらしい音は出せるわけです。
トランジスタアンプのLead12でも、エフェクターのThe Guv’norでも、Marshallらしい音は出せるわけです。

それは、ジム・マーシャルが「真空管でなくともMarshallの音は出せますよ。」と証明しているようなものです。



順番から言っても、

まず、あちこちのギタリスト達が理想の歪みをエフェクターを使って作り上げ、

それを後からMarshallがエフェクターによる歪みを真似して再現してきたから、次第に「エフェクターの要らないアンプ」に進化してきたのです。


そう考えると、


まだクランチ程度しか歪まなかった頃やプレキシ時代のオールドMarshallが好みの人にとってはアンプの歪みが本物の歪みだと言えると思いますが、

N.W.O.B.H.M.以降のHM/HRの歪みが好みの人にとっては、

エフェクターの歪みの方が本物の歪みである。

と言えると思います。



なので、結果的に、

・トランジスタアンプ+ブースター
・真空管アンプ+ブースター
・アンプをクリーンにしてDS-1

どれでもだいたい同じ音が作れますし、その中でも微妙な違いが発生してより良い音に近付けようとすると、私はDS-1の音をお手本にしてDS-1の歪みに近付けようとする形になります。


もちろんDS-1で作った音が「満足出来る最高の音」ではありません。


完全に満足出来る音は無いのです。

市販の製品では。



すなわち、95%くらいの満足度で妥協して弾き方でカバーするか、エフェクターを自分で作るか、しかないのです。


まぁどちらかというと、ミュージシャンとしてのプロになるほど音の満足度は妥協して弾き方でカバーする方が多いです。


むしろ、プロになるほど音の細かい違いにはこだわらなくなるということです。

(意味を誤解されやすいとは思いますが、他人から見てどっちでもいいような違いにこだわるのはプロではなくマニアです。もちろんマニアの性質を持った人にはプロもいますしアマチュアもいます。)


有名なプロのギタリスト達は機材が変わって実質的な音が変わっても自分の音を出すということであり、また、憧れのギタリストと同じ機材を使ったからといって同じ音が出せるわけではないということです。


ある程度どんな機材でも対応出来ないと、各社とエンドース契約を結ぶことが出来ないですよね。
「この新製品を使って褒めてくれ。」
と言われたら使って褒めるのがプロです。

例外もいるかもしれませんけど(笑


うーむ。