MaxonのPT-707
古臭い音の出るフェイザーです。
エフェクターの基板の中でも好きな基板として1位2位を争うPT-707の基板。
世の中のエフェクターがどんなに小型化されても、私は部品が余裕を持ったスペースで整然と配置されている大きな基板に魅力を感じます。
エフェクターに求められるのは「音」のはずですが、基板そのものに芸術的な価値を見出してしまうのです。
まぁ・・・
今回はそんな話をする為にわざわざ遠い惑星からやって来たわけではありません。
地球を侵・・・フォトカプラの話です。
PT-707はアナログのフォトカプラという素子を使用しています。
浜松ホトニクスのP873-G35-911です。
光の強さで抵抗値をコントロールするという恐ろしい素子です。
核ミサイルの発射ボタンのスイッチング回路などにも使えま・・・
フォトカプラまでデジタル化されてしまったこの時代、アナログ・フォトカプラ自体がほとんど市場から消えてしまい、
特にこのP873-G35-911は入手困難でして・・・
私の手元にある浜松ホトニクスのフォトカプラは
P873-G35-380
P873-G35-687
P873-25
だけです。
あとは代替品として使えるかどうかは別として、浜松ホトニクスではないアナログ・フォトカプラが一応、流通しています。
構造的には自作するのにさほど複雑ではないので、フォトカプラであれば何でもいいならわりと手軽に作れるものではあるんですけど、
P873-G35-911と同じ特性のものを作れるかというと、そう簡単にはいかなさそうです。
これはCdSセルです。
光の強さに応じて抵抗値が変化します。
したがって、LEDにどのくらいの電圧をかけた時(電流を流した時)に、CdSセル側の抵抗値がどのくらいになるか。という仕様が肝になると思います。
ん?
もうダートロニクス社製フォトカプラを作る気満々ですかね?
ちなみにP873-G35-911は特殊で、CdSセルが2個分あるのでCdS側の端子は3本になります。
怖いですねー。
内部はこうなっています。
PT-707の電源を入れた状態だと、フォトカプラのLED側の電圧は1.67Vでしたが、
大事なPT-707の基板のハンダを溶かしてまでフォトカプラを取り外したくないゆえ、CdSセル側の抵抗値を測ろうにも回路に電圧がかかっている状態では無理です。
外して測定すれば済むことも装着したままでは自由度が低くなります。
そこで、回路には電源を入れず、5Vの電源から4.7kΩの抵抗を通して実測1.8Vの電圧をフォトカプラのLED側にかけてCdSセル側の抵抗値を測を測りました。
2個のCdSセルの抵抗値でばらつきがありますが4.8kΩくらいです。
で、基板に装着したままだからだと思いますが、2個のCdSセルの両端が
4.8k+4.8k=9.6kΩ にならず、
4kΩくらいになってしまいます。
まぁ取り外して測定すれば9.6kΩくらいになるのでしょう。なるはずです。
ちなみに他のを測定すると
P873-G35-380 が1.1k〜1.5kΩ
P873-G35-687 が1.3k〜1.9kΩ
P873-25 が4.7kΩくらい
LCR-0203 が0.5kΩくらい
MI 0202 CL が0.9k〜1.1kΩ
でした。
自作する場合、LEDによっても変わるのですが、
CdSセルとLEDを近付けるか、
このLEDで1.8Vの電圧をかけた場合だと、5mmの距離にした時にP873-G35-911と同じ4.8kΩくらいになりました。
まぁこれでP873-G35-911と同じように使えるかというのは、実際にPT-707に装着して確認するのが一番良いだろうと思います。
でもオリジナルのPT-707はいじりたくないので・・・
なにするきだ・・・
3月11日に冬眠から覚めて、
(というかとっくに起きてたけど)
まだごはん食べません・・・
うーむ。