MMK-45というピックアップ。

たかが一つのピックアップのことを書くだけなのに、丸2日かけて何度も長文を書き直し続けています・・・


発端は、

先日入手したピックガードでSFR-50に載せるピックアップを何にするか。

ということなんですけど、


単に欲しいピックアップというと、私にとって一番理想の音が出るギターであるマツモク工業製Epiphoneレスポールに搭載されているMMK-61というピックアップがあって、それを何個も欲しいです。

全てのギターにMMK-61を載せたいです。
(入手困難なので無理ですが。)


で、MMK-61のどこが良いかというと、

とにかく私が頭に思い描いている理想の音が出るのです。
特に歪ませた時のブリッジミュートの絶妙なズンズンの感じと、単音のメロディを弾いた時の絶妙なトーン、バランス、アタック、エッジ、などが、他のどのピックアップよりも断然良いのです。

いやー、それだけじゃないなぁ。
なんかこう、1、2弦の「プルン♪」としたまろやかさみたいな感じとか、5、6弦のズンズンも音が硬くないというか優しいというか甘いというか暖かいというか、そんな感じです。


レスポール同士ということでよく57’Classicを搭載したGibsonのレスポールと弾き比べるのですが、僅かな違いしか無いと感じることもよくあるものの、やはりMMK-61の方が断然良くて、その理由としてMMK-61の方が出力が高くて57’Classicより歪みがちょい増しになることでアタックやエッジの食い付き加減が心地良いようです。


なので、57’Classic等のPAF系よりも出力が高いピックアップが自分には合うのだろうと、ずっと思ってたんです。


が、しかし・・・



どうやら・・・

MMK-61とMMK-75はPAF系、
MMK-45とMMK-53はSUPER DISTORTION系

を意識して開発されたようです。

確かにポールピースや抵抗値からするとそのような分類になりますよね。


そうすると、

それだけで判断すると、特に高出力ピックアップが好みというわけではなく、

むしろ・・・

私がMMK-61の「良い」と思っている特徴がPAFの特徴である可能性があり、私が今まで「良いんだ!他のどれよりもこれが最高なんだ!」と言い続けてきたのは、PAFの良さだったのかもしれない、という可能性も出てきます。


恐ろしやー。(ガクブル・・・)



しかし、それでも57’ClassicよりもMMK-61の方が出力が高くて断然好みの音なので、高出力が好みとは言わないまでも、57’Classicよりは出力が高い方が好みであることは確かで、これは同じPAF系でも良し悪しがあるぞ、と。



さらに、うちのAriaProIIのPE Deluxeに搭載されているClassic Power ⅢSというピックアップが、ちょっと歪み過ぎてクリアーな音では使いづらいので、「これは高出力の中でもさらに高出力過ぎるんだな。」と思っていましたが、


どうやらClassic PowerもPAFを元に開発されたようです。
渡辺香津美の協力のもとで100個以上の試作品を経て開発したとか。

とはいえ、やっぱり出力が高いし、同じClassic Powerでも
・Classic Power
・Classic Power ⅡS
Classic Power ⅢS
と、種類があるので、基本はPAFでも出力やトーンはバリエーションを持たせているんだろうな、と。


これらのことを総合的に振り返ると・・・


今まで私は、同じPAF系同士の僅かな差を「大きな差」と捉え、PAF系と高出力ピックアップの差を「大き過ぎる差」と捉えていたようです。


ちなみに、
軽くて形も弾きやすいのでお気に入りのWashburnのN1のピックアップは、高出力で低音寄りでまぁヘヴィな音が出るので良いのですが、低音弦の7フレット以上で歪ませるとブーミーになります。

昔愛用していたDimarzioのTONE ZONEも低音がこもってて気になります。



ということでそろそろまとめなければ。



色々調べて分かったこと、分かっていることをまとめると、

まず、カタログによるとClassic Powerは主に以下のようにPEに搭載されています。

PE R80 : Classic Power
PE SUPRA : Classic Power ⅡS
PE DELUXE : Classic Power ⅡS
PE DELUXE-KV : Classic Power ⅢS

そして、Classic Powerの裏には「MMK-75」の刻印とスタンプがあり、
(「MMK」の刻印と「75」のスタンプ)
Classic Power Ⅲの裏には「GOTOH」の刻印だけがあります。

また、ZZ DELUXEなどに搭載されていたPROTOMATIC-Vというピックアップがあって、その裏には「MMK-45」の刻印とスタンプがあります。


MMKシリーズというのは
M=マツ、M=モク、K=工業、のピックアップであり、AriaPro II 以外にもEpiphoneやFERNANDESにも流用していたので、


言い換えると、
Classic Power」の正体は「MMK-75」であり、
PROTOMATIC-V」の正体は「MMK-45」である、ということになります。


そして「MMK-45」はSUPER DISTORTION系ということで、前からちょっと興味があったので・・・



ヤフオクでGETしました。

MMK-45、リア用、美品です。


ふむふむ。



MMKの刻印。





ただ、抵抗値がカタログで11.8kΩのところが、誤差があるとはいえ思ったより低いです。
10.76kΩです。



据置型のマルチメーターで測っても似たような値です。



これは気温10度Cの冷えきった工房で測定しているので、まさか温度のせいじゃないだろうなー、ということで、

ファンヒーターで20度Cに設定したリビングに持ってって時間の経過とともに測定すると・・・



おぉ、




おぉぉ・・・



おぉぉぉぉ・・・





(*'O')をををををっ!

11.34kΩまで上がった!!


これは20度Cの部屋ですが、普通は電子部品のデータシートの測定条件は25度Cなので、

この感じだと25度Cでカタログ値の11.8kΩ付近にいきそうですね。



エアコンを付けてしばらくして室温が変わるとチューニングは半音くらい変わりますが、


気温でここまで抵抗値が変わるとは。




私は以前からよく、「ギターを弾き比べてもその日によって違いが分かり易い時と違いが分かりにくい時がある。」と言ってましたが、



それって気温によってギターの音が常に変化しているせいなんですかね!?


いやー、まさかねー(笑



もしくは、

夏にエアコンを20度C〜24度Cに設定したら寒いのに、冬は20度C〜24度Cもあれば暖かく感じます。

これも先日も述べた「適応性」のせいで、季節ごとの気温に身体が適応している為に感覚が変わるわけで、

そのくらいの適応性があるということは、ギターの音も聞き比べているうちに、無意識のうちに何らかの適応能力が発揮されてしまって違いを認識するのを邪魔してしまう可能性もありますね。





(要約すると、「MMK-45を入手しました。」というお話です。)



うーむ。