まずおかしかったところはここ。
左chのパワーアンプの出力部分。
回路図のレイアウトをさらに改良して描き直しました。
(同じ回路でもいかにレイアウトを綺麗に描くかが大事だと思ってついつい無駄に時間を費やしてしまいます・・・)

赤丸の箇所は約0Vでなければいけないところが、ほぼ正電源電圧の約40V出てしまっていて、リレーもONしないし強制的に音を出そうとしても左chは「ビー」しか鳴りませんでした。


まずここに着目。
実測+42Vからトランジスタを通って4.7Ω、220Ω、4.7Ω、トランジスタ、−42V、と繋がっています。

ここが途切れていなければ上下対称になっていることになりますので、中間の電圧は0Vになります。
上のトランジスタのベースから下のトランジスタのベースまで合計229.4Ωです。


許容誤差範囲内で合ってます。


次にここ。
上のトランジスタのエミッタから下のトランジスタのエミッタまで0.22のエミッタ抵抗が2個、上下対称に繋がってます。


合計で0.44Ωのところ0.7Ωです。
テスターのリードの抵抗値もあるしだいたい大きめになるのが一般的なのでこんなもんです。


つまり上下対称に繋がっているので、分圧されて真ん中はやはり0Vになるはずですが



やはり約40V出てしまっています。


しかしどこからも40Vの電圧はショートしてきてなくて、物理的な電圧の混入ではないと判断しました。



出力段より前のどこかで電気が通ってない箇所があってバイアス電位のバランスが崩れてしまっているようなイメージです。



全てのトランジスタのコレクタ電圧、ベース電圧、エミッタ電圧を測定し、妙にコレクタ電圧が低い箇所を発見。


その経路をたどっていくと・・・


前段のエミッタ抵抗がっ!!


これ!!



先生!!
この抵抗器が内部で断線しています!!


100Ωのはずが・・・

導通なし!!


とりあえず合成抵抗にして1/2Wに耐圧を高めておきます。
あとでオーバーホールする時に良いやつに交換します。



今回はトランジスタの不良もいくつかありましたが、抵抗器が焦げたりして駄目になってるのが3箇所ありました。



今回の修理のテーマは「抵抗器」ですね。


特にこの100Ωは焦げていないので見た目では分からず、特定するのに時間がかかりました。


しかしこれで一気に例の電圧も正常になり、リレーもONし、


普通にレコードが聞けるようになりました。



何を聴いてるのかって?



ちょっと前にメルカリで買った古い雑誌の付録

Charのロック・ギター教室(笑



あとはトランジスタやコンデンサが劣化しているのでオーバーホールするわけですが


致命的な不具合は解消出来たので安心してオーバーホール出来ます!!


(かなりホッとしているもよう。)