The Goonies ’R' Good Enough シンディ・ローパー | 自然と音楽の森

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洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

20140501CyndiLauper

 ◎The Goonies 'R' Good Enough
 ▼グーニーズはグッドイナフ
 ☆Cyndi Lauper
 ★シンディ・ローパー
 released in 1985
 2014/5/1

 今日はシンディ・ローパーのこの曲。
 懐かしい、というかたもいらっしゃるかと。

 シンディ・ローパーの歴史的名盤SHE'S SO UNUSUALの30周年記念盤がリリースされました。
 最近はこの、25周年、30周年記念盤と銘打つ、リマスター化されボーナス音源が追加されたCDがたくさん出ていますね。
 話題になったものはみんな出ているのではないかというくらい。
 僕らの年代をターゲットに、いわばレコード会社の策略に乗せられているわけですが、好きなアルバムがまた買えるのはうれしい、というファン心理があるのも事実で、ここはひとつ、お財布が持つ限りは付き合ってやろうと。

 シンディのそのアルバムはいつか記事にするとして、今回取り上げたこの曲Goonies 'R' Good Enoughは、日本盤のみボーナストラックとして収録されています。
 
 この曲は、スティーヴン・スピルバーグ総指揮、『スーパーマン』のリチャード・ドナー監督の冒険映画『グーニーズ』のテーマ曲として1985年にリリースされ、ビルボード誌最高10位と大ヒットを記録。

 当時は高校生でしたが、いつも話に出てくる6歳下の弟が洋楽に興味を持ち始めた頃で、録画したビデオクリップを観た弟がドーナツ盤を買いました。
 この曲のビデオクリップは、映画のセットの中でシンディが演技をするもので、子どもも楽しめるものだからですが、多分、弟が初めて買った洋楽のレコードじゃないかな。
 記事を書くにあたりそれを探したのですが、僕のものではないのでどこにあるか分からず探し出せませんでした。

 このビデオクリップを、先日、「ベストヒットUSA」で30周年記念盤の話題の際に流していました。

 懐かしい。

 僕は、1980年代に聴き育った曲を今聴いて、懐かしい、とはあまり思いません。
 「懐かしい」というのは、間が空いた状態で初めて成り立つ感慨ですよね。
 もちろん、それを買った時のこと、友だちとの会話などは懐かしく思い出しますが、基本的には今でも聴き続けている曲だから。

 でも、ということは、その後ほとんど聴かなくなった曲については、僕も人間だから「懐かしい」と素直に思います。

 この曲を聴いたのは何年振りだろう。

 1994年に出た彼女のベスト盤はかなり聴いたんだけど、それには確か入っていないはず。
 アルバムの中の曲なら聴く機会があるけれど、シングルだけの曲は、ベスト盤に入っていないと聴かないですよね。

 そしてビデオクリップ、懐かしさ百倍。

 最近、僕は、ビデオクリップを引用して1曲の記事を上げるようになりましたが、それはひとつに、ビデオクリップを懐かしむ、それが楽しいのだと分かりました。
 僕も人生の半分を過ぎたので、そういう思いが強くなってきたのかな。

 ビデオクリップは、好きなアーティストのPV集はDVDを買って観ることはありますが、でも、アルバムのように頻繁に観て聴くということもないし、そもそもPV集を買っていない、或いは出ていないアーティストの場合は観る機会が限られてきます。
 MTVを観ていた頃は、"Classic"と題して古いクリップを流す時間帯があって、それが楽しみだったのですが、今は観ていないし。

 音楽は思い出と結びつくことが多いですが、映像があると余計に記憶の中に深く刻まれることもあるのでしょうね。
 「ベストヒットUSA」で観たこの曲のクリップは、強烈に懐かしかった。
 それを観なければ、弟が初めて買ったレコードということも思い出さなかったかもしれない。

 曲については、いかにも映画向けの歌という感じでひたすら楽しいですよね。
 今回、テレビで観てこの曲を口ずさんでいて思ったのですが、"Goonies"と"Good Enough"はネイティヴの人が発音すると響きが似ている、これもまた"rhyme"、言葉遊びなんだとよく分かりました。
 心にしみる、というタイプの歌ではないけれど、インパクトは大きい、特にロックという枠でみると変わった響きの曲で、歌に関しては何でもありだった80年代らしい曲でもありますね。
 作曲者はシンディと他2人でオリジナルのものです。

 ただ、この曲は、1作目の後、さらにはWe Are The Worldの後で、2作目の前、というリリース時期が今にしてみれば絶妙だったかもしれない。
 シンディ・ローパーというアーティストが今後どうなっていくのか、子どもの心を持ったままのこの曲が出たことにより分からなくなった。
 そうしたところに次作のTrue Colorsが出て、こんなこともできる人なんだと世の中みんな驚き、評価が上がった、ということではないかと。
 実際、僕もTrue Colorsには驚いたくちですから。

 映像もまた、観ていてひたすら楽しい。
 名前を忘れてしまったのですが、最初のビデオクリップから出ている元プロレスラーの小太りの男性がここでも大活躍していますが、他に、往年のプロレスファンにはおなじみフレッド・ブラッシーなども出ていて、当時はうれしかったものです。
 昔はプロレスをよく観ていました。
 特に弟が好きで、僕も、新日本プロレスを観に今はない「中島体育センター」に何度か行ったことがあります。

 最後のほうで、シンディが洞窟のつり橋で敵に両側から挟み撃ちにあうシーンが面白い。
 あれはシンディには知らされてなかったのかな、シンディの恐そうな表情が真に迫っている。
 スティーヴン・スピルバーグに騙された、みたいなことをシンディは言うのですが、それがなんだか、そういうことを言ってみたかった一般の女性みたいな感じがして、より親近感を覚えます。
 その後でテレビ映像を見ていたスピルバーグ監督が出てくるというオチもいい。

 ただ、基本的に若者向けの曲であり映像だから、今の僕が観ると正直、数回でお腹いっぱいという感じですね。
 まあ、そういうのがあってもいいでしょう。
 ベスト盤に入れなかったのは、そういう部分があるのかな、とも思います。
 
 次回も「懐かしい」ビデオクリップの予定です。