◎THE HEART OF SATURDAY NIGHT
▼土曜日の夜
☆Tom Waits
★トム・ウェイツ
released in 1974
CD-0114 2011/08/07
トム・ウェイツのセカンドアルバム。
本題の前に言い訳ですが、このところ僕のPCが調子が悪く、昨日は本家BLOGの記事の編集で思いの外時間がとられてしまったためにこの記事を上げる時間を作ることができませんでした。
他のアルバムならまだいいけどこれが「土曜日の夜」ともなるとまるで意味がないですね・・・
まあしかしここは気を取り直して、土曜日の夜に聴いたのは確かだから、日曜日の夜に上げます。
それにしてもWindowsVISTAはだめだなぁ・・・
トム・ウェイツも通好みの玄人の人が聴く人という先入観があってずっと敷居が高い人でした。
僕がその名前を知ったのはもちろんかどうか分からないけどロッド・スチュワートのDowntown Trainでしたが、実はその前に映画「ダウン・バイ・ロー」を観ていてそこに出ていた人がトム・ウェイツだったことはロッドの件の後で知りました。
ロッドの時に割と近くまで行ったのですがそこでCDを買って聴くことがなく20年以上が経ち、昨年、「レコードコレクターズ」のシンガーソングライターの名盤の特集号で彼の1枚目が取り上げられていて、そうかシンガーソングライターだったのかと初めて気づいて試しにその1枚目を買ってみました。
予想というか想像していた通りの音でしたが、意外なことに結構いいなと思いました。
ただし彼の声はちょっと苦手かなと感じたけどでも却下するほどのものではなかったので機会があれば買ってゆく人ということに決めました。
この2枚目は先月買いましたがなぜ買ったかは最後に話します。
聴いてみるとなんだかいいですね。
アメリカ音楽には潜在的な興味があることは何度か書いてきていますが、それを分かりやすく見せてくれていて、曲がいいとか世界に浸れるとかそれ以前に単純に音楽として興味深く聴き進めてゆくことができます。
今回気づいたのですが、トム・ウェイツはレーベルがAsylumなんですね。
1stを買った時に気づかなかったのかと言われればそれまでですが・・・
Asylumといえばイーグルスにジャクソン・ブラウンと僕の基本ともいえる人たちだからそれが分かっただけでトム・ウェイツにかなり近しく感じられるようになりました。
トム・ウェイツこそきっといわば「私小説」的世界を繰り広げているのでしょうね。
このアルバムの3曲目Semi Suiteの次のくだりを聴いてちょっとばかり驚きました。
♪ And his trousers are hangin' on the chair
「ズボンが椅子にかかってるぅ~っ」
そんなことに力を込めて朗々と節を回して歌い上げる人なんて僕は初めて聴きました。
僕はこのくだり最初はおかしさが勝っていたのですが聴いてゆくうちにこれがこの人の世界なんだと理解できて今ではこのくだりが来るのをわくわく待ちながら聴いているくらいに気に入りました。
歌詞を具に見てはおらず聴きながら何となく感じる範囲では酒をはじめとした身の周りのことにフィルターをかけずにストレイトに表現していて、エンターテイメント性が強くなっていたロックに対するアンチ性みたいなものは発していたのではないかと。
音楽面で思ったことを書くと、5曲目Diamonds On My Windsheld (Looking For)はジャズ風というよりはジャズナンバーですが後ろで動き回るウッドベースは一見すると適当に演奏しているようで実は結構ち密に計算されたものであることが想像されました。
トム・ウェイツの魅力のひとつはきっと不真面目なようでいて真面目という部分なのかなと思いました。
僕は数年前にジャズに少し凝っていたのですが今は聴くのをやめています。
でもジャズに興味がないわけではないしロックの中でジャズ的な要素を発する曲については強く反応します。
このアルバムは僕の眠っていたそんな意識を覚ませてくれたような感じがします。
かといってそれがジャズをまた聴くことに直につながっては行かないとは思うのですが、でも音楽の幅が広がるのは楽しいということも再認識させてくれました。
僕はまた歌人間だとよく言いますが、このアルバムは(も)歌としての部分では中の上くらいの響きだけどその代わり部屋で流れているといい気持ちになれる1枚ではあります。
正直言えば、意気込んで買ったというよりはしょうがなく買った1枚だったのですが、これはほんとに気に入りました。
3rdは意外と早く買うかもしれません。
いや、買わないかもしれない・・・
そしてトム・ウェイツに限らず敷居が高いとばかり言っていないでいろいろ聴いてみようと思いました。
ほんとは僕も音楽が好きな人間であるはずだから。
最後にこれを買ったわけを。
リトル・フィートの国内盤を5枚一気に買ったことは前の記事で話しました。
HMVで注文して届いたものを見ると、それらはみなワーナーの廉価盤シリーズForever YOUNGの一環として出ていて、7月31日まで1枚買うと抽選で希望するシリーズのCD1枚をタダでもらえるう上にに3枚買うと自動的に1枚タダでもらえるというキャンペーンのシールが貼られていました。
リトル・フィートは5枚買っていたので1枚はタダでもらえるけどあと1枚買うともう1枚がタダでもらえるということになり、じゃあ何か買おうかと札幌のタワー・レコードに出向き目に留まったのがこれだったというわけです。
CDを買うきっかけはいろいろありますが、こういうのは僕も初めてかな(笑)。
だけどこれはほんとに買ってよかった。
元々1stを買っていて次もいつかは買おうと思っていたのだから冒険でもない、むしろ軸がぶれていなかったというべきでしょうかね。
これからは少しは自分を信じてみますかね(笑)。