MIRROR BALL - LIVE & MORE デフ・レパード | 自然と音楽の森

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自然と音楽の森1日1枚-Aug02DefLeppardLive


◎MIRROR BALL - LIVE & MORE

▼ミラー・ボール ~ライヴ&モア~

☆Def Leppard

★デフ・レパード

released in 2011
CD-0112 2011/08/02

Def Leppard-02



 デフ・レパードの新譜はスタジオ録音による新曲を含んだライヴ盤。

 彼らはシングルB面やボーナストラックなどでライヴテイクを発表したことはありますが、意外にもきちんとしたライヴ盤はこれがキャリア初。


 結論からいえば、「ポップなブリティッシュ・ハードロック王道路線」をバッド・カンパニーから引き継いだのは他でもないこのデフ・レパードだと思います。

 

 昨日からライヴ盤が2枚続いていて僕はこちらデフ・レパードを先に聴いていたのですが、後から聴いたバッド・カンパニーを聴いて頭の中できれいにつながったのでした。


 デフ・レパードはそもそも「ニュー・ウェイヴ・オヴ・ブリティッシュ・メヴィ・メタル」=NWOBHMの流れの中から出てきたバンドであり強引にいえばアイアン・メイデンと出所が同じです。

 ただし今デビューアルバムを聴くとスピリットの部分だけがその流れにあって音楽自体は最初から聴きやすいヘヴィメタルを目指していたことが感じとれます。

 だからか彼らは今では事実としては紹介されてもNWOBHM出身ということではあまり語られなくなっているような気がします。

 

 キャリアを進めるうちにAC/DCなどで「ポップなヘヴィメタル」を成功させていたロバート・ジョン・マット・ランジと出会ったことで彼らの流れは決定します。

 というかあるべきところにたどり着いたのでしょう。


 バッド・カンパニーは前身のフリーやモット・ザ・フープルからハードな方向に進化しましたが、デフ・レパードは逆に進み、両者が出会って落ち着いたところはほぼ同じ環境というのが僕が思うところ。


 もちろん僕はデフ・レパードが大好きだしこれは否定的な意味で言っているのではありません。 

 ジョー・エリオットはメタル界きってのレコードコレクターであり音楽への造詣が深く先達への敬意を常に心に置いて歌っている人だから、そう言われて悪い気はしないのではないかと勝手に思っています(笑)。


 バドカンとデフレパ。

 日本での呼び名を書きましたが(笑)、両者で大きく違う点は、バドカンが寄せ集めのスーパーバンドである一方デフレパは売れない頃から数人のメンバーで活動した叩き上げであるところでしょうか。

 ただしデフレパにも元ディオ元ホワイトスネイクという輝かしい経歴のヴィヴィアン・キャンベルが入ったこともあってもはやスーパーバンド的な風格みたいなものが備わっているように思います。


 そしてもちろんもっと違うのはヴォーカルですね。

 ポール・ロジャースは業界の中でも尊敬する人多数という生ける伝説的ヴォーカリストだけど、ジョー・エリオットには街中のヴォーカリストの大親分的な親しみやすさがあります。

 ジョー・エリオットは一度会って話をしてみたい人ですね、夢です、音楽の話がとっても楽しそう。

 

 その他もちろんつぶさに見ればぜんぜん違うのは当たり前だけど、ハードな演奏に歌いやすい素晴らしい曲がのっかって次々と出てくるというバンドのトータルのコンセプトでは驚くほど似ているような気がします。


 このライヴについても少し話すと、コンサートで会場が歌う曲がどれかというのが僕のライヴ盤を聴く時のひとつの重要なチェックポイントなのですが、デフレパのここではBringin' On The Heartbreakでした。

 そうか、そうだよな、歌いやすいといえばそうだしな。

 会場で歌う人がサビの声を下げるところも忠実に歌っていたのがよかった。


 曲はもちろんヒット曲のオンパレードでひたすら楽しく聴けますね。


 僕が入っていてうれしかったのはMake Love Like A Manでした。


 そしてもちろん僕がデフレパでいちばん好きなTwo Steps BehindもDisc2の1曲目といういい場所に入っています。


 Hysteriaはやっぱりライヴでも感動しますね。


 ただNo.1ヒットであるLove Bitesはキィを下げて歌っているけどこの曲は声が高い部分の切なさが味なだけに少し残念でした。

 

 もうひとつ気づいたのはレコードよりベースの音がうんと前に出ていることです。

 僕がデフ・レパで唯一ちょっと不満なのがリック・サヴェイジのベースの音が小さすぎることなんです。

 彼のプレイは決して目立つものではなく印象的なフレーズもないまさに縁の下の力持ち的なものですがそれは個人のスタイルなのでそれでいいのだと思います。

 しかしそれにしてもベースの音をもっと上げてほしいと思っていたのでこれはその点でもいいかな。


 なおDisc2の最後に3曲収められている新曲は、ああいかにもデフレパだなという普通にいい感じで聴ける曲で雰囲気を壊していたりなどということはありません、ご安心ください。



 僕は昔はライヴ盤はあまり好きではありませんでした。

 スタジオヴァージョンが好きであればあるほどその違いが納得できないからです。

 しかし最近は年をとってこだわりがなくなった部分もあって、ライヴ盤はたいていはいい曲を集めたものだから真剣に聴き込むというよりはかけておくと気持ちがいいということがようやく分かったのです。

 やはり音楽は年により感じ方が違ってきますね。

 というわけで、バッド・カンパニーとデフ・レパード、僕が思い入れがあるくらい大好きなバンドを無理やりふたつくっつけてしまいましたが、僕の基本は少し以上にハードでかつ歌メロがいいロックであることを再確認した2枚のライヴ盤でした。

 デフ・レパードもまだコンサートに行ったことがありません。

 大学2年の時に東京で行こうかどうか迷ってひとりだったし東京のコンサートに慣れていなかったのでやめたのですが、今はそれをとっても後悔しています。


 だからデフ・レパードは、死ぬまでにライヴに行きたいバンドのひとつです。