![自然と音楽の森1日1枚-June22BertJanschRL](https://stat.ameba.jp/user_images/20110622/17/guitarbird9091/33/62/j/t02200330_0240036011306152832.jpg?caw=800)
◎ROSEMARY LANE
▲ローズマリー・レーン
☆Bert Jansch
★バート・ヤンシュ
released in 1971
CD-0082 2011/06/22
Bert Jansch-02
バート・ヤンシュのこれはジョン・レンボーンと共同名義のものを合わせて7枚目のアルバム。
僕の記事は、以前も話しましたが、昨日のジューダス・プリーストのようにふと思い出して聴いて記事にするものとその頃によく聴いているものがありますが、今日のこれはもうひと月近く毎日のように聴いている1枚です。
なおもうひとつ、記事にするために聴くという場合もありますが。
僕は歌うことが好きで歌が好きです。
といってカラオケもしないしバンドをするわけでもなく、例えば車の運転中、散歩の時、料理を作りながらといった日常生活の場面で口ずさむのが好きなだけ。
時々無意識に口ずさんだ曲がその時の心情に合っていると自分でもうれしくなりますね。
例えば疲れている時にA Hard Day's Nightが口をついて出てきたりとか。
歌が好きだから演奏が長いバンドやプログレ系は最初は苦手で聴き始めるのが遅かった。
ただしプログレ系については演奏は長いけど歌としてはいい曲が多いことも聴いて分かったけど。
バート・ヤンシュのアルバムは先に紹介したBERT & JOHNとそれ以前に買っていた1枚に続いてまだ3枚目ですが、それでもなんとなくこうじゃないかと感じたことがあり今日はそれを主題に書きます。
バート・ヤンシュの音楽は歌が印象に残りません。
歌はあくまでも全体の音楽の一部であり曲に変化を持たせるためそして音だけでは伝えきれない部分を補うために歌詞に表して歌っているもの。
歌の旋律もはじめから歌として作られたのではなく、あくまでも演奏の流れの中から自然とわき出してきた音をつないでいて歌だけが目立つのはなくむしろ流れを損なわないくらいのほうがいい。
バートの歌い方も朴訥としていて歌手という感じでは響いてきません。
それなら歌はなくてもいいのかというとそれは違う。
あくまでも歌があってひとつの全体的な芸術的表現という意識だと思います。
バートの歌には温かさを感じます。
もしバートの歌声がなければ、凄いとまで評されるギタープレイに圧倒されて近寄りがたい音楽にってしまうのではないかと思います。
ほめ言葉には聞こえないかもしれないけどこの音楽の場合は歌が上手い必要はなく、バートの声だからこそ聴きやすくて心が休まる音楽になっているに違いない。
音楽は全体的にほのかにクラシックの要素が感じられトラッドから少し抜け出した独特の香りの気品があって格調高い世界です。
でもだからといって聴く側は構える必要はまったくない。
それももちろんバートが歌っているから。
僕は音楽を聴ける時間は基本的にはずっと音楽を聴いています。
でも時々音楽を聴きたくないというよりも聴かないことを積極的に選ぶ時間があります。
このアルバムはその気持ちになったときでもかけることができます。
それは聴かなくてもいいけどとりあえずかけておこうというBGM的なものではなく、聴かないことで得られる静かな時間に求めるものとこの音楽に求めるものが気持ちの中できわめて近いということです。
静かに流れていると気持ちが豊かになる音楽。
僕も音楽を聴くようになってもうだいぶ長くなりましたが、こういうタイプの音楽には生まれて初めて出会いました。
歌にこだわってきた僕が歌では敢えて勝負しない音楽をこれほどまで好きになるなんて、これは心が成長したということかな(笑)。
バート・ヤンシュのCDで最初に買ったものは歌として響かなかったのでそこそこいいかなくらいにしか思わなかったけど、記事で取り上げたバート&ジョンでその気持ちが少し変わり、3枚目のこれでようやくその境地に達しました。
しかし。
こうなるともっと欲しくなり聴きたくなるのが僕の悪い癖(笑)。
先日さらにバート・ヤンシュのCDを2枚注文してしまいました・・・
そして次のバート・ヤンシュのCDの記事ではギター弾きの端くれとしてギタープレイについてもう少し話せればと思います。
ところでこのアルバムを買ったのにはわけがあります。
僕はこのところスパイスとハーブに凝っていて本を買って勉強しスパイスも買い揃えて料理に使ったり手作りカレーを作ったりしているのですが、このアルバムは名前にローズマリーと入っているからです。
おまけにジャケットの影絵には犬の影もあって犬好きにはうれしいですね。
でも、ローズマリーは札幌で育つのかな。