ASIA エイジア | 自然と音楽の森

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洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。


自然と音楽の森1日1枚-May26Asia

◎ASIA

▲詠時感(エイジア)~時へのロマン~

☆Asia

★エイジア

released in 1982

CD-0059 2011/05/26


 エイジアの「デビュー」アルバム、といってもメンバーはその道のベテランばかり。

 ヴォーカル/ベースがジョン・ウェットン、ギターがスティーヴ・ハウ、ドラムスがカール・パーマーそしてキーボードがジェフリー・ダウンズ。


 80年代が懐かしいシリーズです。

 そんなシリーズ作った覚えはないけど(笑)。


 いつもいいますが82年当時は中3でビートルズ以外の洋楽をビルボードのヒットチャート中心に聴き始めた頃でエイジアも話題になっていたので買うことにしました。

 当時はタワーレコード札幌店の旧店舗に行き始めた頃で輸入盤を買うのが楽しくて仕方なくこれは聴きたい上に輸入盤が欲しくて買いました。 


 また当時はLPを買うと46分カセットテープに録音して主に寝る前に自分の部屋で過ごす時間に聴いていました。

 寝るまでに1枚か時には2枚を聴き終ってもう1枚をかけながら寝ることが多かったのですが、その場合はたいていは途中で寝てしまいました。

 僕が当時聴いていたラジカセはオートリバースではなかったので、A面が終わってテープが最後までいくと「ガチャッ」という大きな音がしてテープが止まりその音で一瞬だけ目が覚めました。

 そして半分寝ながらほぼ機械的にカセットをB面にひっくり返して再生し、でもすぐに寝ていました。

 だから当時聴いたアルバムはB面の曲を覚えていないことが割と多くあり時にはA面の終わりのほうの曲から怪しいアルバムもあります。

 ただしB面でも1曲目だけは一瞬目が覚めてひっくり返していたので覚えていることが多かったです。


 エイジアのこれはまさにそれであり、このアルバムは頭2曲がシングルヒットしたいい曲であるため余計にそうなりました。

 しかもその2曲と他の曲の差が激しいと当時は思っていたので3曲目からはこちらの気持ちのテンションもがくっと落ちてしまいあとは子守唄となっていたような気がします。

 
 そのことをはっきり認識したのはこのアルバムをCDで買い直した時でした。

 なんと、CDでいうと7曲目と8曲目はまったく覚えていなかったのです。

 最後の9曲目だけサビが異様にポップでかろうじてサビだけ覚えていましたがそれもサビだけ。

 そしてやはりというかB面1曲目である6曲目は割と細かく覚えていたのでした。


 昨日のデフ・レパードの記事で僕は「いい曲がA面に固まりすぎている」と書きましたが、このアルバムもそうだといえばそうでしょう。

 そうして考えていくと実は一般的にA面にいい曲が集まっているアルバムのほうが多いのではないかなと思えてきました。

 今ここで僕が中高生当時にLPで買ったアルバムを当時の新譜も旧譜も関係なく手当たり次第に思い浮かべると、B面のほうがヒットした印象的な曲が多いのはマイケル・ジャクソンのTHRILLERくらいしか思い当たりません。

 まあそれにしてもエイジアのこのアルバムは僕の考えでは最初の2曲とそれ以降の差が大きいような気はしますが。


 このアルバムを今日聴いて記事にしたきっかけは昨夜犬たちの最後のおしっこで外に出た時にふとこの中の曲が浮かんだからですが、もうひとつ思ったことがあります。


 当時は今ほど1枚のアルバムを長い期間聴き込むことはなかったかもしれない。

 今は気にいったアルバムはひと月から長くてふた月ほど週5回以上の頻度で聴いていますが、当時はまだ若くて飽きっぽかったのかもしれない。

 エイジアのこのアルバムの個別な問題でいえば僕がこれを買ったのはもうピークを過ぎてビルボードのアルバムチャートの100位以内にもいなかった頃であり、当時はやはり流行りものを求めていたのでそれくらいの古さというのは名盤といわれるほど古くもないし中途半端ですぐに気持ちが切れたような気がします。

 実際のところカセットテープで聴いたのは15回かそれくらいじゃないかな、だから全曲は覚えていなかった。


 しかしそこでまた思ったのが若い頃はやはり頭が柔らかくて回数が少なくても覚えられたんだなということです。

 僕は自慢じゃないけど人より曲を覚えるのが遅く4回聴いてワンコーラスの流れをようやくつかめるくらいで、かつて一度聴くともう歌えるという友だちがいたけど信じられない思いで話を聞いていました。

 そんな僕でも若い頃は覚えがまだよかったということなのでしょう。

 だから若い頃の経験は大事なのでしょう。

 そして若い頃の経験は実際に体験した回数よりも増幅されて覚えて思い出されるのかなということも思いました。

 

 エイジアから話が逸れて一般論になりましたが、いずれにせよ若い頃に聴いたアルバムの多くはずっと心の中に残っていくんだなって最近はとみに思います。

 

 それにしてもこのアルバムというかエイジアの歌メロはクサいですね(笑)。

 邦題にロマンとあるけどロマンティックとコメディは紙一重みたいなぎりぎりの節度を持ったクサさというか、でもそこがエイジアが胸に迫ってくるものを感じる部分でもありますね。

 ミエミエだからこそ得られる感動というものも世の中にはあるのです。

 

 エイジアについては2枚目もリアルタイムで買って思い出深いのでいつかまた続きを、今度こそ音楽自体の話をしたいと思います。


 そうそうこれは僕のプログレ初体験です。

 と書くとこんなのプログレじゃないと言われそうですがでもメンバーその他の問題で一応はそういうことにしておきます。

 でもかといって僕がこれを買ってすぐにプログレには行かなかったので、やっぱりこれはただのポップロックとうべきかな(笑)。



◎このCDこの3曲

Tr1:Heat Of The Moment

 僕のGreat 80's Songsのひとつで歌メロもいいし演奏もいい。

 このLPを買った時はちょうどギターのバレーコードを練習していた頃で、イントロのA♭→B♭7→F♯m→A♭→D♭というコードを弾くのがとにかく楽しかった。

 さらにサビの部分でアルペジオに展開しそれが結構早いのでこれはギターのいい練習になった思い出深い曲でもあります。

 でもスティーヴ・ハウのギターソロは真似しなかったけど(笑)。

 微妙に音が引っかかって出てくる感じのハウのギターは味があっていいですね。


Tr2:Only Time Will Tell

 これは器械体操をしている女の子のビデオクリップが印象的ですね。

 ビデオクリップの名作のひとつだと思います。

 なぜこの曲で器械体操なのかはいまだに分からないのですがそこに結びつけるイマジネーションを浴びることがこの場合は楽しいですね。

 ただこのビデオクリップには苦い思い出がありまして。

 高校時代にテレビ朝日系列の深夜番組で「MTV」が放送されていましたが、その番組はその日に流す曲が番組の最初に画面で出てきてこちらはそれを見て心構えをしていました。

 もちろん眠くて寝てしまったこともありましたが、この曲はそんな中でリストにあったので録画しようとβのビデオデッキで録画の一時停止状態にしてきっとCM開けに始まるだろうと待っていたところこちらの予想に反していきなり始まって録画ができなくて泣く思い(うそです大袈裟です)をしたものでした。


Tr3:Sole Survivor

 先ほど3曲目から急にテンションが落ちたと書いたけど、この曲はCDを買い直して聴くと素直にいい曲だなと思い、実は当時も気にはなっていたんだということに気づきました。

 今は大好きですよ。