◎BACK IN BLACK
▲バック・イン・ブラック
☆AC/DC
★AC/DC
released in 1980
CD-0051 2011/05/18
AC/DCのメジャーデビュー後の6枚目のアルバム、名盤中の名盤。
昨日、プロ野球セパ交流戦「北海道日本ハムファイターズ対東京ヤクルトスワローズ」の試合を札幌ドームに観に行きました。
元々がヤクルトのファンでもあり東京にいた頃にはよく神宮に行きヤクルトを飲んでいるわが家でFS観戦はもはや年中行事となっていますが、今年はいきなり交流戦の開幕戦がこのカードとなりました。
試合を先に短く振り返ると、ファイターズ側からすれば昨日の試合は、相手はセでもトップクラスの投手であるエースの館山投手であり、1シーズン144試合すべて勝てるわけでもないのだから、負けなければいけない試合を選ぶとすれば昨日の試合がその1つだったというだけで、0-2で負けてもサバサバしていました。
またそういう試合だから逆にテレビではなく実際に観戦したことで、納得して帰って来ることができました。
ただ、4試合連続完封負けの試合に投げてしまった武田勝投手はちょっと以上に可哀想で申し訳ないけど。
いきなり野球の話から始めましたが、今日はなぜこのアルバムかといえば・・・
ファイターズに今年入団したマイカ・ホフパワー選手の登場テーマ曲がAC/DCのBack In Blackだったのです!
この曲のイントロのギターリフがフェイドインして始まりヴォーカルの前にフェイドアウトしました。
なんでこの曲なんだろう、ファンなのかな。
ロックバカ人間としてはかなりうれしかった、しかもこの曲というのが意味ありげで。
AC/DCはハードロック・ヘヴィメタルに分類されるバンドだけど、僕が思うこのバンドの本質はこうです。
「単なるロックンロールのオールディーズの焼き直し」
演奏なしで聴けば古いスタイルのR&Rにしか聴こえない曲を中途半端ではなくハードな演奏で味付けしているという「だけ」のバンドです。
まあそもそもハードなギターの音と金切り声が生理的に苦手という人には何を言っても通じないとは思うのですが(笑)、でも、もしAC/DCが「ヘヴィメタル」だからといって避けている人がいれば僕は言いたい。
まあ、そこに遊び心というか商業戦略として悪魔や地獄やランドセルや角が出てくるわけですが、それはあくまでも表面上の装飾であって、音楽の本質は「単なる」ロックンロールです。
この「単なる」はもちろんほめ言葉であり偏見を取り払うために敢えてつけているものです、念のため。
僕も一応はいろいろなロックを聴いていますが、AC/DCほど徹底してシンプルな音作りを目指しているバンドは他には思い当たりません。
シンプルなのに飽きがこない、これもAC/DCの特徴であってもはや至芸と言える領域に達しているとすら思います。
曲が似てるとかそういう話は関係なくただ単に楽しい音楽。
このアルバムは、前作でアメリカの人気に火がついたところで急逝してしまった前任のヴォーカリストである、
ボン・スコットの鎮魂の意味も込めて制作されました。
新しいヴォーカリストはブライアン・ジョンソンで今でも現役、これが声の質という点ではボン・スコットによく似ていて、これだけ似ている人をよく探したなというくらい。
いや、似ているというのは適当ではなく、彼らの音楽のイメージにぴたりとはまる人と言った方がいいでしょう。
そういうひとはたいていひとつのバンドでひとりしかいないものですが、AC/DCはそれが2人いるというのもある意味奇跡ではないかと。
ブライアン・ジョンソンは金切り声を上げてもどこか抜けたユーモアを感じる暖かい声の持ち主で、真面目にやればやるほどユーモアが増してくるという稀有なキャラクターの持ち主。
このバンドがここまでビッグになり長く続いているのはブライアンのキャラのおかげも大きいかもしれません。
トレードマークであるハンチング帽はなかなかカッコよく、少なくともロック界ではいちばん似合う人ですね(笑)。
このアルバムについてもうひとつ話さなければならないこと。
これは全世界で2番目に売れたロックのレコードである。
1位はマイケル・ジャクソンのTHRILLERで納得でしょうけど、2位がこれというのは意外に思うかたがほとんどではないかと思います。
僕だってそうだから(笑)。
かつては日本では人気がなかったけど今はそこそこのようですね。
Tr1:Hells Bellsはボン・スコット鎮魂の重たい鐘の音で始まるスローテンポの曲。
彼らにしては劇的な流れの曲でスタート。
AC/DCにはブルージーな響きも感じるんだけど本格的にブルーズがお好きな人から見ればお遊びにしか聴こえないでしょうね(笑)。
Tr2:Shoot To Thrill、ベースがずっと高い音で引っ張ってギターが空気を切りまくる典型的なAC/DCのスタイル、と思って聴き進めると後半にひと悶着、いや展開があるのが新味。
Tr4:Given The Dog A Bone、「犬に骨をやれ」、犬好きとしてはたまらない曲(笑)。
ただ犬に骨をやるだけでこんなに大仰に盛り上がるのが聴いていてもう笑っちゃうしかないですね。
Tr6:Back In Black、この世で最高のロックンロールソングのひとつ。
ザクザク刻むギターリフがとにかくカッコよく曲の流れもいいけど、途中の一度しか出てこないギターリフがもう壮絶なカッコよさでHR/HM界でも屈指の決めのギターフレーズのひとつでしょうね。
ただこの曲には大変残念で遺憾にすら思うことがあります。
この曲はフェイドアウトしているのです。
AC/DCはコンサートで演奏することを前提にしているためフェイドアウトで終わる曲は皆無に等しいのですが、彼らの代表曲であるこの曲でフェイドアウトしているのは痛恨の極み。
プロデューサーのロバート・ジョン・マット・ラングには今でも文句を言いたい。
まあ本人たちがたまには違うことをやってみたいと透かしたのかもしれずでもやはりそうであってもフェイドアウトしてほしくなかった。
でもまあ仕方ないですね、それが当時の考えであるのだろうから。
いや、やっぱりいつ聴いても納得できない(笑)。
Tr7:You Shook Me All Night Longはポップソングとしてはこの曲がこの中ではいちばん親しみやすいかな。
ビデオクリップではブライアン・ジョンソンが例のハンチングを被ったままバスタブに入っている光景が印象的。
曲名はレッド・ツェッペリンやジェフ・ベックもカバーしたあの曲へのオマージュというかリスペクトでロックのそういうつながりも楽しく、だから思いが入りやすい曲でもありますね。
Tr10:Rock And Roll Ain't Noise Pollution、「ロックンロールは騒音なんかではない!」
このタイトルはまさにロック青少年の気持ちを代弁していますね。
僕はもう青年になっていましたが僕たちがいいたいことを代弁し宣言してくれたようでうれしかった。
しかも曲がミドルテンポでもったりとしていていわゆる一般的なイメージのテンポが速いロックンロールではないところがこの人たちなかなかやるなと思わされた部分です。
またこの名盤の最後で自らがロックンロール・バンドであることを宣言しているのは納得させられます。
ということで、札幌ドームにお越しの洋楽をあまり聴かない皆様、マイカ・ホフパワー選手のテーマ曲は
AC/DCのBack In Black
という曲ですよ、CDをお探しの際はご参考までに(笑)。
最後に余談、金子誠選手のテーマ曲であるダニエル・パウターのBad Dayが入ったCDがブックオフに多いのは札幌だけなのかな、と思ったり・・・(笑)・・・