LED ZEPPELIN III レッド・ツェッペリン | 自然と音楽の森

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自然と音楽の森1日1枚-April25LedZeppelin

◎LED ZEPPELIN III

▲レッド・ツェッペリン III

☆Led Zeppelin

★レッド・ツェッペリン

released in 1970

CD-0029 2011/04/25


 レッド・ツェッペリンの3枚目。


 29枚目のCD、僕は誕生日が29日でその数字には少しこだわりたく、僕の中でも特別な存在であるレッド・ツェッペリンを取り上げることにしました。

 まあそもそも最近ちょうど車でよく聴いているものではありますが。


 僕がZepを聴き始めたのは高3の時で少し遅いかな。

 でも僕が洋楽を聴くようになった頃既にZepは解散し早くも伝説化しつつあって、リアルタイムのバンドではなかったのがすぐに聴くことはなかった理由でしょうね。

 それでも未発表曲集のCODAのリリースはリアルタイムで話題になったことは覚えています。


 僕が最初に聴いたのは3枚目と4枚目のLPでした。

 高3の時に父が出張で東京に行くことになり、渋谷のタワーレコードで輸入盤のLPを「お土産」として買ってきてと頼んだものでした。

 タワレコは札幌にも既にあったので別にお土産にしてもらう必要はないんだけど(笑)、そこは当時はお小遣いが限られていた高校生、1枚でも多くのLPを聴く機会が欲しかったのでした。

 もうひとつ、Zepはまったく経験がないので少ないお小遣いから買うにはちょっとした冒険であり、だから「リスク回避」の意味もあったのですが、いずれにせよずるい高校生ですね(笑)。

 

 4枚目はもちろん狂喜乱舞するほど気に入ったのですがその話はまたにして、3枚目も僕はすぐに気に入りました。 

 A面はちょっとハードな曲が並んで彼ららしいのだと解釈したけど、アコースティックなB面だってそれはそれで彼らの音楽なのだろうと理解しました。


 僕はこれを聴いて、リアルタイムで起こったことを後から追体験するのは不可能であると学びました。


 このアルバムは特にB面が当時としては意表をついていたというか実験作というかもっというと問題視されていたことはもちろん情報として知っていました。

 でも僕は出てから何年も後になって聴いた上に固定概念もほとんどなかったので、上記のような素直でのどかな感想しか抱きませんでした。

 僕はこれをまったく普通に彼らの音楽として受け入れたのですが、当時は賛否両論あったということを知ってそういうものなのかと思いました。

 そもそも僕は、ロックというのはハードなのもフォーキッシュなものもあっての音楽だと思っていた、それも自然と受け入れられた部分でしょう。


 もうひとつ。

 僕がなぜ3枚目と4枚目の2枚を父に頼んだかというとそれは至極簡単、彼らの代表曲が入っているからです。

 当時はプロレスも時々見ていて、「移民の歌」がブルーザー・ブロディのテーマ曲として使われていたので曲もさわりだけ知っていました。

 だからこのアルバムはすごく期待しました。

 ところが、「移民の歌」以上に気に入った曲が出てきて、実は「移民の歌」は正直言うとZepの曲で好きな順に並べても真ん中までには出てこないかなくらいの存在になりました。

 しかしそれもリアルタイムで聴いた人であれば「移民の歌」への思い入れは違うのでしょうね。

 僕が「移民の歌」をそう感じているのは彼らの曲にしてはひねりがすくなくまっすぐすぎるところですが、当時はきっと大きなインパクトがあったのだと思います。

 

 ただし今は「移民の歌」も、アルバムの中で次の曲へのつながりを考えるとこれはこれで素晴らしいとは思います。

 まっすぐに入ってゆけますからね。

 そして微妙にアコースティックな要素を引きずっている曲であるのを感じますし。

 このアルバムは「羊頭狗肉」というか、ハードで勢いがある「Zepらしい」曲ばかりなのかと期待させられたところ、2曲目のFriendsでいきなりアコースティック・ギターが高らかに鳴り出して、当時の人は拍子抜けしたのかな。

 策略上手、商才に長けていますね(笑)。


 Zepの魅力のひとつはあざといことをミエミエでやり抜き通すことだと思うのですが、A面はその姿勢が貫かれています。

 ただB面は、アコースティックだどうだ以前に少し普通っぽすぎるかなという気もして、そこはZepらしさに欠けると思われやすい部分なのかもしれません。
 一方で後追いの僕が最初から気に入ったのはその普通っぽさであり、当時はもう凄いことした人々と思っていたので、そうかこんな普通な感じの曲もあるんだと思うと気持ちが入りやすかったのかもしれません。

 いやでもB面のフォークソングだって普通じゃないですけどね(笑)。


 ジミー・ペイジはこのアルバムに関して「僕たちはバッファロー・スプリングフィールドやペンタングルといった音楽も大好きなんだ」と発言したそうですが、僕はそれらのバンドの名前はこの発言から知りました。

 ただしそれらを聴くようになったのはもっとずっと後のことですが、それらを初めて買って聴いた時はペイジの発言がずっと頭の中につきまとっていました。


 レッド・ツェッペリンは僕のロックの基礎の中でビートルズとそのメンバーの少し上に構えている人たちだから(基礎なので下のほうがより重要です念のため)、時々無性に聴きたくなりますね。

 僕の中では彼らの2枚目から7枚目まではそれぞれに魅力的でずっと横並びで好きという感じです。

 他の2枚も大好きですけどね。

 でも、年を経るごとにZepを聴くとほっとするようになったのはなぜだろう。

 いいのか、それが年をとるということなのだろうから。


 おお、今回はいい感じで短く書けている(笑)。



◎このCDこの6曲

Tr2:Friends

=アコースティックギターでこれだけ攻撃的な曲が出来るんだということに当時ショックを覚えました。今でも彼らの中で好きな10指に入る曲かな。

Tr3:Celebration Day

=ジョン・ポール・ジョーンズのベースはいつも歌っていて凄い迫力ですね。

Tr4:Since I've Been Loving You

=ブルーズのパクリから脱したオリジナルなブルーズ。これも10指に入るくらい好きな曲。

Tr5:Out On The Tiles

=一般論としてとってもいい曲だけどZepの中では普通なのが面白い(笑)。

Tr6:Gallows Pole

=「走れメロス」・・・ベースとアコースティック・ギターの絡みが絶妙。暗かったはずなのに最後が明るく盛り上がるのはなぜ・・・

Tr8:That's The Way

=この曲はCDの時代になって魅力が分かった「大人のフォークロック」。