◎COURT YARD HOUNDS
▲コート・ヤード・ハウンズ
☆Court Yard Hounds
★コート・ヤード・ハウンズ
released in 2010
CD-0025 2011/04/20
コート・ヤード・ハウンズの2010年のアルバム。
コート・ヤード・ハウンズはディクシー・チックスのVoであるナタリー・メインズ以外の2人、エミリー・ロビスンとマーティ・マグワイヤによるプロジェクト。
ナタリーがいろいろなところにゲストで顔をのぞかせている間に作ったのかな。
昨年の春頃に出たことは知っていましたが、迷っているうちに秋に安くなったので買いました。
これがほんとに素晴らしい。
迷った割には偉そうなことを言いますが(笑)、これはジャケット写真からのイメージでなんとなくとっても自分には合いそうと感じていて、実際に聴くとその通り、いやそれ以上でした。
僕はDCXを大好きになってようやく初心者マークがとれたくらいだからあまり詳しいことは言えないけど、これは曲としてはDCXそのままという感じがします。
そうでしょうね実際にDCXで曲を作っている人たちなのだから。
カントリー系だけどロック的な芯の強さや重さを感じるところまで同じで、僕にはとっても落ち着く音です。
これを聴いていちばん驚いたのは、エミリー・ロビスンのヴォーカルでした。
すっごくいい声、素敵な声、ちょっと甘くてちょっと切なくだけどしっかりと響いてくる。
ポピュラー音楽は声という持って生まれた「才能」も重要だと思うのですが、エミリーのこの声なら普通にデビューして普通かそれ以上に売れるものだと思いました。
そこで思ったのがDCXのナタリー・メインズの声のすごさです。
個人的な好みでいえば押しが強くて癖があるナタリーより素直できれいなエミリーの声のほうが好きです。
でも、この世界でヴォーカリストとして一流を張っていくには、きれいなだけでもうまいだけでもない何かそれ以上の要素があったほうがより訴えるものが大きくて、エミリーの声にはその部分が足りないのかもしれない。
一方でナタリーの声はとにかく印象に残りやすく、ポピュラー音楽とは突き詰めてゆけば印象に残ってしまったものが勝ちだから、やっぱりナタリーのほうが強いかな。
簡単にいうと、エミリーは「普通にいい」ヴォーカリストだけど、ナタリーは「個性的なヴォーカリスト」ということになるのだと思いました。
もちろんDCXが売れたのは声だけじゃないと思うけど、でもここまでビッグになるにはナタリーの声は不可欠な要素だったに違いありません。
CYHに話を戻すと、曲としてはDCXと同じようなものであっても少し違って響いてくるもので、エミリーの声で歌われているとより繊細さや清らかさそして上品さを感じます。
そこが僕にはとっても魅力的に響いてくる部分です。
告白すると、僕はほとんどエミリーの声に恋しているようなものでしょうね。
CYHを聴きたいという気持ちはまったく自然と湧き上がってくるものです。
このアルバムは昨秋に買ってふた月くらいの間ほぼ毎日聴き続けました。
年末頃からあまり聴かなくなり、3月になって、大地震の後からまた聴くようになりました。
落ち込んだ気持ちをエミリーの声で慰めてもらいたいと無意識で感じていたのかもしれない。
僕の場合、新譜は、旧譜もそうですが、買ってすぐにひとまずひと月かそれ以上毎日聴き込むとその段階でいちど「お気に入り盤」となります。
そうまでいかないですぐに聴かなくなるものももちろんあります。
でも「お気に入り盤」もたいていはふた月めくらいから暫くはまったく聴かなくなります。
それからひと月から3か月ほど経ってまた聴いた時にそのアルバムの良さを再発見すると、毎日ではないけどまたよく聴くようになります。
僕にとっては、この段階まで到達して初めて「愛聴盤」と呼べるものになります。
僕の心の奥深くにまで響いてくるようになったアルバムということ。
そういうアルバムを求めて次から次へとCDを買い続けていくのです(笑)。
「愛聴盤」がたくさんあると気持ちが豊かで楽しくなったように感じるものですね。
コート・ヤード・ハウンズは、僕にとっては最も新しく「愛聴盤」の仲間入りをしたCDです。
ジャケットの装丁も絵本のようできれいだし、それに犬好きとしては犬がいますからね(笑)。
コート・ヤード・ハウンズはこれだけで終わらずにまた出してくれないかな。
でもその前にディクシー・チックスの新譜が先かな。
あ、断っておきますが、僕はDCXも大好きですからね(笑)。
今日の「CDわんこ」は、うちのキャバリアのポーラ、いつもすまし顔の犬です(笑)。
◎このCDこの8曲
Tr1:Skyline
=1曲目でこの落ち着きが意外だった、僕は1曲目は元気な曲が好きだから、でもこれはこれでいい
Tr2:The Corst
=間奏のギターの広がりが気持ちいい
Tr4:See You In The Spring
=ジェイコブ・ディランとのデュエットがぴたりと決まっている
Tr5:Ain't No Son
=エレクトリック・ギターがじゃりじゃりと鳴り続ける強い響きの曲
Tr7:I Miss You
=切ない歌が大好きなんです僕は(笑)
Tr10:Then Again
=強い演奏で胸にぐぐっと迫ってくる強い曲、曲の変わり目に突然出てくるハミングにはっとして心が取り乱されるかのよう、僕のこのアルバムのベスト曲
Tr11:It Didn't Make A Sound
=前の曲で不安になった分思いっきり解放してくれる明るい曲
Tr12:Fear Of Wasted Time
=最後はほんとうに心にしみてきて心を洗ってくれる
※全曲素晴らしいのですが