◎26 LETTERS - 12 NOTES
▲26レターズ・12ノーツ
☆Dave Mason
★デイヴ・メイスン
released in 2008
CD-003 2011/03/29
デイヴ・メイスンの2008年のアルバムで、現時点では彼のスタジオ録音の最新作。
デイヴ・メイスンは今年突然聴き始めた人ですが、それまでは、いろんなところで名前は時々見るけど、という人でした。
聴いてみると、ブルージーで少しポップでギターがよく鳴る、まさに僕好みの音でした。
僕は、あるアーティストを好きになると、すべてのアルバムを聴かないと気が済まないたちです。
CDの流通状況やあまりにも多すぎる人などもいて、すべての人でそれができてはいないのですが、可能な限りはそうしたい。
デイヴ・メイスンもまだ制覇はしていないけど、1970年代までのものはみな聴きました、名盤も、情念も、ママキャスも、マイケル・ジャクソンも。
ベテランのアーティストには必ずキャリアの後のほうにも傑作がある、というのが僕の持論です。
デイヴ・メイスンのこれは、まさにその通り、ある意味僕の予想をはるかに上回る素晴らしい出来でした。
なんといっても曲がいい。
当たり前のことですが、歌メロがいい曲がこんなにも多いというのが、正直、驚きました。
僕は自称「歌メロにこだわる人間」、とにかく歌を口ずさむのが好きだから、僕にとっての作品の良し悪しは、口ずさむにいい曲がどれだけあるかが最も重要なポイントです。
その点でこれは素晴らしい。
雰囲気に流されておらず、歌メロが突き抜けています。
デイヴ・メイスンは短期間にさっと聴いただけですが、その範囲でいえば、これだけ歌メロがいい曲が揃ったアルバムは他にはないと感じたくらいです。
音楽的な面について触れると、全体的にソウルのオブラートがかかっていて、ファンクっぽいのりの曲もあり、ブルーズとソウルの間くらいの音が胸にぐっときます。
ギターは相変わらず冴えているし、声もいい具合に枯れていて、まさにヴィンテージの味わい。
インストゥルメンタルもあって、12曲捨て曲なし!
僕の持論に戻って、超ベテランの新しいアルバムははなっからパスというのはもったいないと常々思っていましたが、これを聴いて持論が確信に変わりました。
もったいないですよ。
デイヴ・メイスンは、キャリアの前のほうのアルバムをすすめるのが本筋かもしれないですが、僕は、思いきって、最初に聴く人にこれをすすめるのも悪くない手だと思っています。
それにしても、どうしちゃったんだろう、こんな年になって。
デイヴ・メイスンへの敬意が増しました。
スーパースターじゃないかもしれないけど、さりげなくすごい人だと思いました。
このCDで面白いというか親切なのが、ブックレットにディスコグラフィーがあり、彼自身の名義だけではなく、客演したアーティストのものも網羅し、一部にはジャケット写真が載っていることです。
こういうものを見ていると、聴きたいCDがどんどん増えていって困りますね(笑)。
それと同時に、僕がよく聴いてきたアルバムにも参加しているのを知って驚きもしました。
デイヴ・メイスンさん、ごめんなさい、反省しております。
これからは心の真ん中のほうで聴かせていただきます!
タイトルの26 lettersはアルファベット、12 notesは音階=ハ長調のドから上のシまでの間のピアノの鍵盤の数を意味するのだと思うけど、ほんとうにそれらすべてが出てくるのか、調べてみたくなりますよね(笑)。
アルファベットでは"q"と"x"があればみんなあるでしょうね、曲名にはそれはないけど、歌詞の中にでも。
音階は僕は絶対音感がないので、ギターで調べないと分かりません・・・
◎このCDこの5曲
Tr3:One Day
突き抜けた歌メロ、80年代ならシングルヒットしたんじゃないか
Tr5:How Do I Got To Heaven
=天国を歌った曲はいつでも誰でも和やかな気分にさせてくれる
Tr9:That's Love
=セクシーな女性コーラスは大人の恋の香り
Tr11:World Of Hunger
=ファンキーでちょっとラテンっぽく弾けてカッコいい、いちばん驚いた曲
Tr12:Full Circle And Then
=しっとりとしたバラードだけど、このアルバムの唯一の不満はこの曲であっさりと終わってしまうこと