無性に複雑な気持ちだぅ。



思い出の曲が流れている。

連想するのはいつも見慣れていたはずの顔で、

辺りを見まわせばそればっかり溢れていて。


昔の僕が言った「記憶が今の僕を形成している」


きっと、僕の背中には沢山の過去の、

記憶の糸が操り糸のように垂れ下がっているのだろう。


前に進む力は弱くて、何かに寄りかかってはそれが崩れるたびに

前に転げ落ちて膝を着いてしまう。

すぐ傍にあるものにしがみついて、またそれを繰り返す。

ふと、いつもの負の力に負けて自分の存在すら消してしまいたくなるけれど、

生憎にも自由を奪った自由な社会は、それを許してくれないのだろう。



大人になって幸せになって、振り返ればなんでもない話かもしれないけど、

僕は「今」の全てを生きているから未来の自分の考えていることなんて知らないし、

過去を振り返るしか安心感は得られないのかもしれない。


いつか好きだった人の好きなものが、いつのまにか自分自身も

好きになっていると言う話はよくあることで。

じゃぁ、その人と別れたらどうなるか。

ただの首輪になってしまうのかもしれない。


首に幾重にもついた首輪を、外せるかどうかは…。

自身が知っているのではないだろうか。


今回は、僕が寄りかかってたものが

それぞれの幸せを掴んでまた歩き始めてしまっただけで。

僕はそこに取り残されただけ。


寄りかかっていたはずの背中が急に涼しくなって、

分かっていたはずなのに心が空っぽになっただけ。

「オメデトウ」とか言ってみるけど、本心なのに、さらにその奥に

黒いモヤモヤがあって僕の中だけ虚しさとか、涙とか、孤独感で埋めていくんだ。


本当は、わかっていた事実が。

時間切れで目の前に現れただけなのに。



あの時の君の誰に向けたかわからないような歌が、声が、言葉が、その表情が。

特定の人に向けられたものだと確信に変わった時、

どうにも突き放されたようで苦しくなる。



それは、いつも繰り返し起きて、最終的な結果を信じようとしなくなった僕が出来上がった。

心の穴が開いたままだから、いつも満たされないで流れていく。

供給源がなくなれば、心が枯れる。

満たされていた時を思い出して、歩けなくなるまでそれを求める。



今の自分を心のそこまで映し出す鏡で見たら、

きっとその数分後に僕はこの世からいなくなるんだろうな。



もっと、頑張らないと。

前を向いて。


でも、辛いが消えないよ。

拭っても、匂いが、音が、感覚が、景色が、そして夢の中でそれを思い出してしまうから。