最初はどっかの部屋にいた。

知らない部屋。
電気も付いていなくて、荷物が散乱していた。
部屋は細長くなっていて、奥の右側と左側に扉が付いていて、
その扉を出ると、細い廊下が続いている。

何人か、人がいる。知っている人もいれば、知らない人もいる。
何かから、逃げてる。 僕も。
君も。 決して、狭い部屋ではなかったのにそいつはズルズルと体を引きずって、
その部屋をせまそうに向かってきた。

赤い目がいくつもついた、黒いネバネバした、半透明の体。
いくつもの小さいてが、壁や床をひっかいてこちらへ進んでくる。

ニゲロ!!! 叫んでは、人を避難させ、僕も安全な場所へと逃げる。

しかし、やつはどこまでも追ってきた。
扉を閉めて、廊下を走って、次の部屋に入って、ベランダにでて、身を隠しても。
だけど、うまく体を動かせた。
ノロマなあいつを、うまくやり過ごすことは容易だった。
ずっと逃げ続けて、いつのまにか広い部屋に出た。

埃をかぶって、色褪せた部屋だった。

アイツは、もう追ってこなかった。
でも、逃げられたのは、、、、 逃げられたのはほんの少しの人だと思う。

逃げろといって、確かに逃がした。
でも、僕は違うところに逃げた。そして隠れた。
そして、合流してはそれを繰り返した。
ようは。 僕だけ、安全な場所に隠れていたも同然。

その時は、必死で、あいつから逃げていたからなにも思わなかったけど。
今になって振り返れば、そういう風にとらえられる…。 はぁ、なんて嫌な…。