最初は、部屋にいた。
広いのか、狭いのか、わからないけど。
アパートのような、寮のような…少し古い感じの部屋。

布団の上にいた。
いつも使っているやつじゃない。
白い、シーツの布団。

もしかしたら、布団ではなく
シーツだけだったのかもしれない。

白いシーツの海

その上に、ただ、座っていた。

目の前の、ドアが開いた。
ドアの向こうは闇だった。
闇にまぎれて、誰かがいた。

白い肌だけは、闇さえも飲み込めずに
そこに浮かぶようにしてあった。

おとこのひと。

少しずつ近づいて
闇の中から現れた身体は
男性とは思えないほどの細さで

その手には、銃が握られていた。
銀色の。

怖いとは思わなかった。

顔に銃を突きつけられて、
しばし沈黙の時。

腕を伸ばして銃に触れて、
銃に口付けて。

撃つ気配は
なかった。


そのまま、銃から手へ。
手から腕へ。
触れていく。

腕を抱くようにして

少しずつ

少しずつ

その人を引き寄せていった。



ここで一度起きた!





次に夢に落ちた時。
貴方は“私”のそばにいた。

緊迫する空気もなく。
うつ伏せに寝転がり、携帯をいじっていた。

その細い背中に抱きついて、
何をしているのか、と訊ねた。
夢なのに、抱き心地がよかった。

柄にもない。
ゲームをしていたと答えた。
そのゲームを知っていた。

昔はよくやったが、今はやっていない。

私はそう返した。

やればいいのに。
いっしょにやろう。

携帯をいじりながら、私を誘う。
無邪気な姿だ。
気が抜ける。

お金をかけて、アイテムを買うのは嫌。
かわいいけど、いいものもないし。

『一緒に』という言葉に惹かれたが、すぐに断った。

今は、こんなアイテムもあるんだよ。

携帯の画面をこちらに向けて、

すごいでしょ

と言った。
確かに、前とは一風変わったものになっていた。
興味がある、と携帯を受け取って画面を眺めた。


警報が鳴った。
部屋中が、赤いランプの点滅で異様な空気に包まれた。

2人っきりだったはずの部屋を、
たくさんの人が走り、逃げていった。

事情は知らない。


とある親子に話を聞こうとしたが、
何故か話しがそれてしまった。

今は、自分の子どもさえ殺すかどうかの瀬戸際らしい。
そのくらい、いまは危ないのだ、と。

その親子の父親が、後ろから追いついてきた。
しかし明らかに、様子がおかしい。

「子どもを殺せば、電子レンジが買えるなら、躊躇いもない」

その手にもった銃は、突如、我子に向けられ

警報にも勝る大きな音を

放った。


目を丸くした。
その家族が、それから逃げるように走っていった。
私もそれに、ついて走った。

戦争。

麻薬。

生活をしていく上で、殺される我が子。


大きな木に、ツリーハウスのように
大きな木の板がかけられていた。
その上で、敵と味方が戦っている。

あそこに行こう

そう思ったのは、その中心に、長のような女性がいたから。
彼女は世界を救うと、何故か思った。

私も、そこらに転がる武器を手に取った。

その女性に、アイコンタクトをとりながら敵をなぎ払った。
敵の中に、さっきのイカレた父親がいた。
また、自分の子に手をかけようとするのか。

私の手にした武器が、
敵よりも早くソレを地面へと突き飛ばした。

ソレが落ちる瞬間、声が聞こえた。

「後は、よろしく頼む」

最後の願いと、理性が私にそう言った。

私は静かにうなずいて。
最後に父親になった彼が落ちていくのを見届けた。


さぁ、はやくこの戦いを終わらせよう。

新しくもうひとつ。
武器を手にして。

穏やかな日に戻りたいと願った。