学校の教室のようだった。
でも、自分の知っている学校じゃなかった。

廊下の突き当たり。
左右の部屋。
突き当たりに向かって、右側の教室。

何かが壊れる音がする。

覗いてみる。

誰かがいる。
床にはガラス細工などが粉々になっている。
落としたわけでもなく、彼女が壊したのだと分かる。

部屋中に、バラバラになったものが散らばっている。

精神不安定。

ただ、それだけ。

何かを無性に壊したくなるときがあるだろう。
それと一緒だ。

自分が何か失敗したとき。
後悔したとき。
悲しいとき。

その全部のもやもやが起こす、破壊衝動。

彼女はそれに悩まされているのだ。
いや、悩む時間もないのかもしれない。
ただ、何かをつぶやきながら、物をバラバラにしていく。

みんなはこれを病気だといった。
僕の知っているひとも、知らないヒトも、みんなが言った。

これは。

病気じゃない。

僕の中にもある。

破壊衝動。

自傷行為。

何かを、自分を壊すことによって、
もやもやから逃げようとしているのだ。

必死に。

彼女がいる隣の部屋で、
今後彼女に対する治療や接し方を話し合っている。

彼女がいる向かいの部屋は、
おもちゃなどがたくさん置いてある。
彼女の唯一の、精神が安定する場所。

これも。

僕と一緒だ。

何かがないと、不安だ。


彼女は僕と一緒なのだ。

夢の中で、その誰かと僕を重ねているのだ。


不安で、しょうがないのだ。