兄を持ち運べるサイズに | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。







エッセイストの理子の元に、ある日、東北の見知らぬ土地の警察から電話がかかる。兄が自宅で亡くなったとの報告だった。事件性はなく病死であると。遺体を引き取りに来てほしいとのこと。

理子は小さい頃からこだわりがつよく、堪え性のない兄が苦手だった。母親に依存し、いざ母親が病気になると逃げ出すように家から離れた。

母の葬儀のとき、香典で儲けたのではないかと、理子から金をせびるような兄を軽蔑し、兄と縁を切ったつもりで、兄からの連絡も無視した。

理子は急ぎ、兄のいた多賀城に向う。怒涛の4日間の始まりだった・・・

先に原作の村井理子の「兄の終い」を読んでいた。本には出てくる叔母は映画では登場しない。どうしょうもない兄にオダギリジョーが柴咲コウの演じる理子の思い出と妄想として出てくる。

満島ひかりが元妻役。別れても好きな人の夫、だらしない嫌いな夫の好悪をみごとに表しながら演じきる。

担当の刑事に吹越満、「特捜9」かあ。兄が暮らしていたアパートの大家に不破万作。いい味がこちらも脇役が出してる。若いときの母親役が誰だったろうか、思い出せない。

葬儀の映画は伊丹十三の「お葬式」以降、名作が揃っている気がする。私的には「最初の晩餐」とか「おくりびと」とか「寝ずの番」とか。

本の感想にも書いたが、自分や親族の最期について考えさせられる映画である。

ネタバレだが冒頭と最後のシーンで、これは過去の話、数年前の話なんだとわかる仕掛けになる。