
二等水兵の井上は、所属していた戦艦が沈没、最後に駆逐艦雪風に救出される。負傷した井上を雪風の専任伍長の早瀬が必死の救出で一命をとりとめる。
傷の癒えた井上は雪風に配属になり、早瀬の部下になる。同じ頃、雪風に寺沢が艦長として赴任する。連合艦隊司令部にいたが上層部と意見の衝突で前線にやってきたのだ。
機動力のある雪風は主力戦艦の護衛をしながら、味方の救出をし、ほぼ無傷に帰還することから「幸運艦」と称せられた。
ある時、不発の水雷が命中した。早瀬は水に潜り、不発弾を除去しようとするが、泳ぎが得意でない早瀬の代わりに、井上が志願する・・・
雪風の存在を今回知った。多くの兵士を救出し、戦後は復員船として、外地から帰ってくる人たちを輸送した船があったことを知らなかった。
終戦の25年後に平和の祭典として大阪万博が描かれており、そのころに、アメリカに接収された役目を終えて雪風が沈められことを、淡々と井上のナレーションで語られる。
また寺沢艦長の娘さんが、警察?海上保安庁?海上自衛隊?。それは父の意思を引き継いだように彼女が子どもを救出するシーンが描かれる。その役は有村架純だった。
すごく抑えるところは抑えたシーンで引き締まる。最後のエンドロール、普通は音楽で締めくくるのだが、船の音だけが鳴り響く。そこがグッと来た。
こういう戦争映画にはいろいろ批判をする人がいるだろう。決して戦争讃歌ではない。あの当時必死で生きた人がいたから今の私たちがいる。それを感謝せねばならない。
最後に主題歌のUruの「手紙」の歌詞が日常を歌いあげる。寺沢が平凡が一番だというセリフと重なった。