
希遊 巻き舌職人
染八 試し酒
慶治朗 高津の富
團治郎 質屋芝居
遊真 胡椒のくやみ
三実 保険の保険の保険
雪鹿 聖夜奇談
染八 高台寺
毎年春に行われる上方落語若手噺家グランプリ。
予選は何度か行ったことがあるが、決勝を聞きに行くのは初めてだった。決勝はすぐに売り切れるからだ。
今年はなかなか決勝のメンバーがすごくてNHK優勝者の桂慶治朗さん、桂三実さん、ベテランの林家染吉さん、桂團治郎さんなどが出場。米朝(米團治)一門二人、林家二人、月亭二人、五代目文枝一門二人という構成。
今年から審査員長が桂文珍さん、審査員も一新して、審査員にも一過言ある審査をお願いしたいと文珍さんからは審査員にも注文がついていた。審査員には寄席落語会のミニコミ誌「よせび」の発行人日高美恵さん、ABCラジオの「なみはや亭」司会や神戸喜楽館の支配人のABCの伊藤史隆アナウンサー、「落語のじかん」や「ヤンタン日曜日」MBSの福島暢啓アナなど。
希遊さん 「巻き舌職人」。一番バッターくじで選んで、残念がっていましたが、笑い連発。ハイレベルな争いを予感させました。
染八さん 「試し酒」。吉弥さんらの「試し酒」とは違い、コンパクトに。まとめたはり、なかなかうけてました。
慶治朗さん 「高津の富」。疑い深い男(お大尽)と富札の当たり番号を見に来た男との会話と大胆な切り取り。私は優勝は慶治朗さんやなと思ってました。
團治郎さん、「質屋芝居」。師匠譲りの見栄やセリフ回し、今やベテランの域の落語でしたが、100点をつけた審査員さんもいらっしゃいましたが、芝居噺はちとこのメンバーでは地味だったかかなと。
遊真さん、「胡椒のくやみ」。間といい、くやみの口上、結構うけてました。遊真さん、私としては●ダークホースでしたね。
三実さん、「保険の保険の保険」。こちらもNHK優勝者三実さん、実験的な創作落語。やはりとり方、とらえ方がうまかったでしたね。
雪鹿さん 「聖夜奇談」。ちょっと季節的には合ってなかったかあ。それでもよく練られたおはなしでした。うけてました
染吉さん 「高台寺」。私は始まる前の優勝予想の◎。唯一の怪談噺でした。笑いをうまくアクセントに噺をまとめ上げていたと思いました。やはり最年長、舞台の構成がうまかったでした。
優勝はやはり染吉さん、準優勝は三実さん。この二人がずば抜けてうまかったのではなく、審査員のそれぞれの点数では接戦でした。八人だけでなく、予選からも接戦が続いたのは予選のちらしを見ればわかります。それは言うまでもない。言うならば予選から誰が優勝してもおかしくなかった。
この8人を二組に分けて、審査員長の文珍さんを交えた「ハナグリの会」を催すそうだ。順番はくじで決め、下手したら、文珍さんがトッフと言うのもありえる。ちょっと楽しみにしている。