
横須賀で楽器店を営む父哲太の異変に息子雄太は気づく。父は初期のアルツハイマー型認知症だと診断される。雄太は実家に戻り、母と介護をする。
昔、レコードを出す寸前までいった哲太。認知症のリハビリのつもりで雄太はクルマの中で、歌を歌わせその姿を動画に撮り、SNSで配信する。
その動画がバスり、哲太は人気者になるのだが・・・
こういうのを見ると、自分の介護をしていた頃を思い出してしまう。家族のつらさが痛いくらいにわかる。途中で、もう見たくないと席を立ちたくなる気持ちがわかるだろうか。
哲太役の寺尾聰、自分らの世代は「ルビーの指環」のあの寺尾聰、あの寺尾聰がボケ老人を演じる。妻の律子役はあの「愛の水中花」の松坂慶子だ。二人とも歳とったなあと思うのだが、自分も歳をとったな感じるのを得ない。
また今どきの映画だなぁと思うのは、良くも悪くもネットの時代。ネットでバズり、ネットでディする。その様子を見事に表してる。
それと多様性の時代、松坂桃李演じる息子雄太はゲイ。ステディな彼氏役はディーン・フジオカ。「きのう何食べた?」の西島秀俊と内野聖陽とをつい連想してしまう。
90分近くの短い映画だったけど、いい映画だった。寺尾聰の歌はやっぱり良かった。サントラがあれば買おうかなと思う。