一月の声に歓びを刻め | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 16TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 16TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。





 


3つのはなしからのオムニバスになる。

洞爺湖の中島。マキはお節料理を作っている。
長女の美砂子一家をもてなす。
女性の姿をしたマキを美砂子はお父さんと呼ぶ。実はマキは元男性。次女を性被害で喪い、自分が男性であることを嫌悪し、局部を切り落とし、それ以降は女性として生きている。

美砂子はいつまでも亡くなった妹しか父の心にないことを、妹の好物ばかりのお節料理に疎ましく思っている・・・

八丈島。牛飼いの誠(哀川翔)は自分が運転していて妻を亡くしている。東京で住んでいる娘海が妊娠して帰って来る。何も聞けずにいる誠。離婚届を入った海からの手紙に離婚届を見た誠は鉄パイプを持って、海の彼氏がやってくるフェリー乗り場へ乗り込む・・・

大阪堂島。福岡で働くれいこ(前田敦子)は、恋人の葬儀に参列する。子どものときに性被害に遭い、トラウマから他人に心身ともにふれあうことが出来ない彼女は、レンタル彼氏と出会い、一夜をともにする。そして彼と性被害のあった場所に訪れる・・・

テレビラジオで三島有紀子監督がインタビューしていたり、浜村淳さんが絶賛していたので先週日曜日にシネリーブル梅田で見た。

それぞれのはなしで独立してもいいのではと思った。なんだかそれぞれが中途半端で終わったかなとは思う。

カルーセル麻紀が演じる壮絶なマキの過去を一人語りするのは、演劇の一場面のように見える。その振り絞る男性の声はなんとも言えない気持ちになる。自分の男の性を呪い、局部を切り落とし、男性を捨て去ると言うのはトランスジェンダーとは違う。

同時に自分を見ていない、亡くなった妹ばかりに囚われている父を嫌悪する娘の気持ちが痛いほどわかる。片岡礼子の演技がうまかったなあと。

メジャーな映画会社ではないマイナーや、インデペンデントな映画はもうマメにチェックしとかなきゃいけないよな。