正直言うと笑福亭鶴瓶って、滑舌が悪いし、普段でも早口なので聞き取りにくい。実際最初、鶴瓶の話す「らくだ」を聴いたとき、うわって思ったものだ。
個人の語り口に加えて、落語って、米朝一門の落語、笑福亭の落語、春団治一門、文枝一門って、カラーがある。これは笑福亭の落語だよなと思った。
だから、好きな噺家さん、ハッキリ言うと嫌いとか苦手な噺家さんってのはある。この方の書いてある内容ならその程度、糞味噌にいうほどのことではない。まして、立て板に水の志ん朝の落語と比べるというのは酷というもの。
逆に江戸落語の粋さを上方落語の噺家さんに求めるのは筋違いなのだ。鶴瓶さんは言うと思う。「聴いてもらわなくて結構」って。
たくさんいるお弟子さんで好きな噺家さんは、他の噺家さんからまくらのネタにされている由瓶さんなんか、言動がヤタケタなんだけど、丁寧で優しさを感じる落語。
眼鏡をかけると段々やしきたかじんに似てきた銀瓶さん、笑福亭の落語でありながらいろんな人から教わったのか一味違う違う落語やなあと。