質屋蔵 | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。






「質屋蔵」は省略しなければ結構長い噺で、場面転換も多く、登場人物も多い。大ネタと言ってもいいかもしれない。「幽霊ネタ」だが、「不動坊」や「皿屋敷」と同じで笑える噺だ。

大きな質屋の旦那が自分の店の三番蔵に化け物が出るとか、幽霊が出るとかの噂を聞きつけ、番頭を呼び出す。

番頭は単なる噂だから、気にもとめずに旦那に伝えなかったのだ。旦那はあながち嘘ではないと、質屋が因果因縁で恨みを買うたとえ話をした後、番頭に今晩、三番蔵の化け物か幽霊の正体を探って欲しいと言いつける。

気の弱い番頭は自分独りで正体を探るのなら今すぐお店を辞めると言い出す。旦那は誰か助っ人をつけたらどうか提案をすると、手伝いの熊五郎、熊はんがいいと言う。番頭は熊はんが町中で喧嘩が一番強いのを知っているのだ。

盗み聞きをしていた丁稚の定吉は、熊はんを呼びに行かされるが、熊はんから自分が何の用事で呼び出されるのかと尋ねられるが、旦那と番頭の会話をうろ覚えで用をなさない答え方をしてしまう。

定吉の答えを邪推した熊はんは、今までしでかした悪事がばれたと思い、先に謝ってしまおうと、いろいろと白状してしまう。

旦那から三番蔵を番頭と見張ることを言いつけられた熊はんは用事を思い出したと帰ろうとするところを旦那に首ねっこを掴まれ、離れから三番蔵を見張ることになる・・・

先に書いた通り、質屋の旦那、例え話に出てくる、行商の呉服屋、長屋のおかみさん、その亭主、番頭、丁稚の定吉、手伝いの熊五郎といろいろ登場する。またそれらの演じわけも難しい。

「崇徳院」、「はてなの茶碗」と合わせて、好きな落語のネタのひとつ。

YouTubeの米朝師匠、枝雀さん、吉朝さん、南光さんの「質屋蔵」。どれも味があって興味深い。