天神山 | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。



ヘンコ(変わり者)のヘンチキの源助がおまる弁当にしびん酒で花見としゃれこもうと思っていたところ、「花見に行くのか」と尋ねれられ、あまのじゃくに「墓見に行く」と行ってしまう。本当に一心寺の俗名小糸という女性の墓の前で飲み食いし、帰りに髑髏を拾って帰る。


夜中、その髑髏の幽霊が源助の長屋にやって来る。怨みで化けて出たのかと思ったが昼間の礼に来たという。源助はその幽霊を嫁にしてしまう。


その一部始終を源助から聞いた隣に住むやもめの胴乱の安兵衛も同じように髑髏を拾いに一心寺へ行くが髑髏が見つからず、帰りに安居の天神さまに願掛けをする。裏手に回ると、狐狩りの男と出くわす。穴の中に雌の狐が逃げ込んだのだと言う・・・


前半が、ヘンキチの源助が髑髏を拾うはなし。「骨釣り」(江戸落語で言う「野ざらし」)のはなしに近い。


後半は安兵衛が女狐を助けて、女狐が恩義に感じて押し掛け女房になるはなし。歌舞伎や文楽の「芦屋道満大内鏡」のパロディになっている。


最後の

「恋しくばたずね来てみよ南なる天神の森の中まで」は「恋しくばたずね来てみよいずみなる信太の山のうらみ葛の葉」の替え歌。これを染二師匠は、障子に逆手で書いたり、口で書いたりと曲書きする。




サゲが今では差別的であったり、歌舞伎がわからなければわからなかったりと、多くの咄家さんはは途中で切り上げるものが多い。


「春の日の出来事でございました」と枝雀さんが結んでいるのがいいかな。