桂 二葉@niyo_katsura
真冬の噺「池田の猪買い」の喜六のファッション。以前着てみた時の写真です。長襦袢3枚に袷3枚。綿入れ着て羽織にトンビにマント。首巻き巻いて隙間に雑巾詰め込んで、頭巾被ってパッチ腰にぶら下げてます。さすがに重たい!あ、耳の穴と鼻の穴に綿入れんの忘れてる!で、ネタも忘れかかってる!やろ。 https://t.co/CTBEetI0VI
2022年01月12日 18:56
桂二葉さんのツィートを見て笑った。
「池田の猪買い」で、甚兵衛さん(江戸落語で言うところのご隠居)に「池田は寒いところやから暖かいかっこして行きや」と言われて家にあるだけのものを着込んでやって来た姿。
一番最初に、「池田の猪買い」を聴いたのは枝雀さんのこの音源。実は大阪ではなく、鹿児島で録音されたもの。ところどころ、鹿児島県警とか、桜島とか、鹿児島県のくすぐりが入っている。
身体が冷えて仕方のないこの男(喜六)、丼池筋の甚兵衛さんに相談すると、薬喰い、すなわち、猪肉を食べると身体が暖まると言われて、大阪まで猪撃ちの名人と言われた池田の山手に住む山猟師の六大夫さんところへ猪肉を買いに行く。
昔の丼池筋から池田に行く方法が詳しく述べられている。「この前が丼池筋、北に行くと北浜に突き当たる。北浜には橋がない。西に折れ淀屋橋、蜆橋、大江橋と渡り、お初天神の西門の紅卯という寿司屋の看板を北へ、十三の渡し、三国の渡しと渡しを超えて、服部の天神さんを尻目に岡町を越えて池田に入るんや」今なら地下鉄と阪急電車を乗り継ぎ30分くらいなのが、ほぼ半日くらいの行程。
ちなみに「冷え」というのは、冷え性のことではなく、淋病の隠語なのだそうだ。昔の咄家さんで「淋病」とはっきり言ってるときもある。
猪肉、牡丹肉は結構、獣臭がきつく、鍋にする場合は味噌鍋にする場合が多い。料理する前に牛乳に漬け込むと、肉が柔らかくなり、臭みが落ちる。これは大藪春彦の小説から教えてもらった。若い頃は池田ではなく、丹波篠山とかに行かないと食べられなかったが、今は大阪にジビエ料理として、簡単に猪肉が食べられる。