算段の平兵衛 | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 16TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 16TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。





大阪近郊のある農村に「算段の平兵衛」という悪知恵を働かせて小銭を稼ぐ悪党がいた。


平兵衛の住む村のお庄屋さんにはお花という愛人がいた。あるとき、お庄屋さんのおかみさんにお花さんがいることがバレ、別れることになったが悋気持ちのおかみさんはお花さんを村から追い出すように迫る。困り果てたお庄屋さんは算段の平兵衛に幾莫かのお金を与えて、平兵衛にお花を嫁にさせる。


しばらくしてお庄屋さんからもらった金を使い果たした平兵衛はお花を色仕掛けでお庄屋さんに近づけ美人局を謀ってお庄屋さんからお金を奪う算段をつけたが、勢いでお庄屋さんを殺してしまう・・・


ここから平兵衛がありとあらゆる悪知恵を用いて、金儲けを企む、言わば悪漢小説、ピカレスクな落語だが、なんとなくヒッチコックの「ハリーの災難」に似てなくもない。今朝、5番さんのブログの「ハリーの災難」の記事を読んで「算段の平兵衛」を思い出した。


さて、この落語のサゲだが、一番最初にこの落語を聴いたのは桂枝雀さんの「算段の平兵衛」だった。佳境になり枝雀さんの説明が入る。「算段の平兵衛の悪事を隣に住む按摩の徳の市が知るところとなり、徳の市が算段の平兵衛を脅しにかかる。負けじと算段の平兵衛が罠にはめようとするが、徳の市は算段の平兵衛に逆襲し、話は二転三転する手に汗に握る噺になるのですが、まだ出来てません。ですんで今日はここまでです。」と終わってしまう。ずうっと後が気になっていたのだが、それ以降の枝雀の「算段の平兵衛」の続きは作られなかった。


今、米朝師匠ようなの昔ながらのサゲ、月亭可朝流、桂南光風、桂文珍風、枝雀流みたいに今日はここまでと終わる場合と数種類が存在する。