刑事の笘篠は東日本大震災で妻と子どもを失う。
笘篠は避難所で妻の遺体に対面したとき、息子と同じように黄色い服を着た両親を失くした少女に出会う。
10年後、被害者を拘束し餓死させる連続殺人が起こる。被害者は善人で恨まれるような人間ではないと言われている。
同じ頃、一人の青年が仮出所して出てくる、放火の罪状に渋る就職先に保護司は説き伏せて就職させる。
笘篠は捜査に当たるうちに、一人の老婆の死と青年の放火事件が浮かび上がる・・・
東日本大震災が未だに消えていないこと、福祉の限界に突き当たる。一人の若いケースワーカーの苦悩と被災者たちの苦悩が滲み出ている。
ケースワーカー出身の代議士の無力だった過去を謝罪する誠実さ(こういう役をやらせたら、吉岡秀隆はピカ一)が、虚しく感じる。
考えさせられる映画だと思う。このコロナ禍のなか、運命に翻弄される人が多くいるのでは。過去の災害が起因した事件が、将来を予測しうるようなそんな事件ような気がする。
森村誠一等の社会派ミステリーってのが一時期流行ったが、そんな感じの作品。原作ほ中山七里か。カエル男から、こんなものまで幅広い。
おすすめです。清純派の清原果耶が今までとイメージが違うので、面喰らうけど。佐藤健の多くを語らない演技がよかった。
阿部寛は性格が歪んだ「結婚できない男」桑野信介で外見はくたびれた「新参者」の加賀恭一郎って感じで。(笑)

