楓は誰かと交わろうとしない内気で孤独な大学生一年生。誰かと交わらなければ、誰も傷つきもしなければ、誰からも傷けられない。
そんな彼の前に秋吉寿乃が現れる。空気を読まず理想論を掲げる寿乃。疎ましかった寿乃となぜか楓は行動を共にする。理想の社会を目指す秘密結社モアイを二人は結成する。
地道にフリースクールへの福祉活動をして目標を目指す二人。だが・・・三年後、彼女はこの世界にはいなくなり、モアイは本来の目的と違う就職支援サークルに変貌をとげる。変わってしまったモアイを壊すために楓は行動に出る。
大学に入り立てのまだ社会の仕組みが何かわからない子を餌食にするものが自分等の時代にもあった。某政党の青年部活動組織や、某新興宗教の下部組織やら。それらはサークルを隠れ蓑にして実際は正体をわからないようにしていて、いつの間にか活動の手伝いをさせられたり、献金で金を巻き上げられたりした。またあの頃、スキーやテニスなどの遊び系のサークルなんかごまんとあった。パー券やスキーツアーで儲けていたサークルもあった。(今もあるのかも、WのS 事件とかも記憶に新しいし。だいぶ前の話か?)
まあ、ネタバレになるので、詳しくは言わないがモアイが軌道修正、転換期は何度もあったはず。だが、それも見出だせずに過ぎてしまった楓と寿乃はお互いが傷つかないようにと縛られてしまっていたんだろうな。
本来、「目的」のための手段であるはずのその「手段」が、「目的」に変わってしまうことはよくあること。自分も何度もそんなことを経験して苦い思いもした。
最近の若い俳優さんの顔が覚えられない。楓役は吉沢亮くんなんだな。「なつぞら」出ていたあの子だよな。寿乃役は杉崎花ちゃん。この子は覚えている。
でも、この役は絶対この子ってのはない。この映画も思いつく何人かの俳優さんでパターンを変えて考えたら、誰でも当てはまるような気がした。それは男性はやんちゃよりもナイーブな役柄の似合うタイプが多く、女性は元気な空気を読めない気のキツメの似合うタイプの俳優さんが多いってことか。
最後に、フリースクールに来ている女の子役で最近、推しの森七菜ちゃんが、右用のベースをひっくり返して左で弾くシーンがあった。ギタリストならいっぱいいるけどベースでは珍しいなあと、実際にいたら面白いだろうなと。