「身内に不幸が会ったんで今日は行きません。」
「母家(本家)か?」
隠せと言うから、嘘を言った。いづれはバレるだろう。満中陰の寄付もしないから、案外バレないか。
「母方の方。」
ギリギリ行けるかと思っていたが昼から抑えていたスタジオもキャンセルした。
惣領の嫁さんと娘、Yちゃんとこの息子は来てなかった。分家やからと明日も初七日まで付き合ってくれと言っておきながら、自分等の息子らはいいんかいな。
T平ちゃんは嫁さんと息子をつれて葬儀には来た。うちの姉は出棺までいた。斎場まではT平ちゃんは来た。初七日まで残れとT忠は言ったがT平ちゃんは怒って帰った。相当根が深い。
仕上げの膳を食べているとき、惣領はぶつくさぼやいてた。原因はいろいろあるのだ。伯父も伯母も、あんたもだ。
初七日が終わり、結局、伯父のとき同様、お寺で遺骨を預かるのだそうだ。あれから本山に遺骨を納めてなければ、まだ伯父の遺骨も預けたままのはずだ。ご住職の昨夜からの難しい顔はこのことかもしれない。月参りのときに何か言われるかも。
血のつながりのある父方のおじおばはこれですべて亡くなった。Hちゃんが生きていたら、従兄弟のとりまとめをしてくれていたはずだが、もう誰もしないし、できないだろう。自分もやろうとは死んでも思わない。母家はプライドだけ高くて、あそこはあんな家だから。これからは付き合いもほどほどに。
帰って来たら、姉が粗供養をもらうの忘れていたらしく、T平ちゃんの嫁さんから連絡が入る。やれやれ・・・