祥月命日 | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。




人間は二種類いると最近考えている。

「時の止まった人間」と「そうでない人間」と。
二十年も経ったんだから、いい加減忘れるかと思ったがそうではない。毎年、母が亡くなった日のことは鮮明に覚えている。

出向先にUさんという方がいた。当時、定年間際の方だった。おそらくもう亡くなっているかもしれない。

「親の亡くなった日のことは忘れないものだよ」
UさんはSから来た自分にそう言ってくださった。その言葉は今も忘れない。

今年も祥月命日を迎えた。
もし母が一日でも生き返るならいろんなはなしをしたいなとは思う。

「平成から令和に変わったはなし」
「親父を介護していたときのはなし」
「甥ふたりが家庭を持ったはなし」
「T美のこと、娘のYちゃんの病気のこと、Yちゃんの彼氏のこと」
「終活をどうするか」

多分、母が死んでしてきた多くのことは母の考えとは違う形をとることになっただろう。特にT美のことはもし母が生きていたら母は絶対許さないだろうと思う。

逆にまだ母が生きていたら自分は自分で決定できない、何もできないダメな男になっていただろうと思う。だから、そろそろ、呪縛から解放してくれてもいいんではないかとは思う。