
チームHSにいた頃、直属の上司(係長)がYさんでお茶を習っていた。おもしろいよとすすめてくれたのが森下典子の「日日是好日」だった。薄い黄色だったか緑の表紙で、題名と作者だけのシンプルな装幀の単行本だったのを覚えている。
自分自身は茶道の心得はない。姉がお茶を習っていたので、作法は知らないが初釜や茶会の様子は多少は知っていた。
また、書の大師匠の弟子さんに裏千家の宗匠の直のお弟子の男性がいらしゃった。男性にかかわらず、真夏でも乱れることなく品よく和服を来てらっしゃったのを覚えてる。
樹木希林が亡くなって、最後に出演した映画が「日日是好日」だと知った。ついでにあの本が原作だと思い出した。
ひょんなことから黒木華扮する女子大生の主人公が樹木希林演じる老女の茶道師範にお茶を習う。はじめは苦手意識で行くのを嫌がるが、結構、自分は茶道が好きなのだと気づいていく。
淡々と季節が流れていくなかで、彼女の人生の起伏が織り込まれいく。それは普通の人が経験するであろう普通の人生・・・突拍子のないストーリーではなく、普通の人が普通に送るであろう人生。
老女の独り暮らしにしては手入れの行き届いた庭。それがこの映画にアクセントをつける。
出演の多部未華子も鶴見辰吾も鶴田真由もでしゃばらず、落ち着いた演技をしていた。
星は★★★★⭐️