
先月の末、連休前にあべので宮さんに呼び止められた。5月26日に店を閉めると。奥さんの体調がよろしくなく、看病しながらまた会社員にもどるということだった。
脱サラして、ド素人が飲食をそれも百戦錬磨の強者たちがはびこる生き馬の眼を抜くような阿倍野界隈で、武骨なほど真面目でおせいじも言えないような人がよくやっていけるのかと、N井さんを初め経営者の方たちや、T井さんら阿倍野界隈で飲み歩いてる酔客、また宮さんの以前の同僚や取引先などたくさんの人たちが応援した。
少なからずSNSで紹介したおかげか知りあいも何人か飲みに行ってくれたようだった。
最後の営業日26日。営業を早めに切り上げ。常連で慰労とお別れ会を催し名残り惜しんだ。
日曜の夜、みやの前を通った。「つはものどもが夢のあと」になっていた。どこか惚れた女性に振られた気分、喪った気分に似ていた。
馬場俊英の「男たちへ女たちへ」という歌がある。ラーメン屋の親父さんが亡くなって店を閉めるエピソードが歌にある。
そして歌詞には、
僕たちは忘れない
昔ここで戦った男がいたことを
そう、忘れない。
ここで戦った男がいたことを。
1年4カ月。短いと言えば短かったと思う。しんどい時期があったかもしれないけど、お客さんは確実に増えていった。もう少し我慢していればと思うけど、奥さん思いのやさしい宮さんの決めたこと。
宮さんにとって、これは失敗や敗北や撤退ではなく、新たなスタートラインにつくのだということ。
まずはお疲れ様でした。落ち着いたら、また一緒に酒を酌み交わしましょう。(^-^)