訃報を知るのが遅く、今頃知ったわけなのだが推理作家の夏樹静子が亡くなった。
仁木悦子、戸川昌子とともに女性の推理作家の草分けであった。
大学在学中に江戸川乱歩賞の候補になり、NHKの「私だけが知っている」の制作に携わった。
卒業後は間もなく結婚、確か伴侶は「海賊と呼ばれた男」の出光佐三と縁のある人間だとうかがっている。
代表作は「蒸発」「天使が消えていく」「Wの悲劇」など。二時間ドラマで女性を主人公にした「弁護士朝吹理矢子」や「検事霞夕子」のシリーズの原作者である。
推理小説のみならず、老いをテーマにした「白愁のとき」、腰痛をテーマにした「椅子がこわい」など、自身に関わる作品も発表している。
病院で心不全のため、19日に逝去。享年77歳。また戦後日本のミステリーの創成期に関わった作家が亡くなった。残念なことだ。
ご冥福をお祈りいたします。合掌。