#5347 【追悼】水木しげる | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。

もう、亡くなられて5日経過したのだが、今頃になって追悼文を書いている。

5才のころの幼稚園児のときに、「たのしい幼稚園」に連載されている「ゲゲゲの鬼太郎」を読んだ。白黒アニメと前後しているかもしれない。

妖怪ぶるぶるという妖怪がいて、食べてしまうと食べてしまった人が妖怪になる。最初にひもじくてネズミ男がぶるぶるを食べてしまう。次に鬼太郎がネズミ男にだまされてぶるぶるを食べて妖怪になってしまう。そんな内容だったと思う。幼稚園児にこんなもの読ませて大丈夫かあ?とあとから考えたら思わせる内容だった。

何度かアニメ化されてテレビで見たが、水木しげる自身の話を知ったのはずっとあとだった。

小さい頃に、のんのんばあと呼ばれるおばあさんに妖怪のはなしを聞かされて育った話(「のんのんばあとおれ」)。劣等生だった子ども時代(「ほんまにおれはあほやろか」)、戦争で片腕をなくした話するなど。なんと言っても「ゲゲゲの女房」のドラマでの貧乏暮らしから漫画家としてヒットするまでの話。

水木しげるは貸本時代やガロ時代と手塚治虫らとときわ荘の漫画家とは違った動き、一線を画した漫画家だった。けれども、「ゲゲゲの女房」でベレー帽の手塚治虫と思われる男性と談笑している場面があったのが印象的だった。(本当かもしれないし、フィクションかもしれない。)

また、伝承された妖怪、物怪、を絵に具体化した。「妖怪学」という民俗学の一分野をきりひらいたと言ってもいい。映画「姑獲鳥の夏」で原作者京極夏彦自身が水木しげるを演じた。

享年93才。確か兄、弟3人とも長命で本にもなったのを記憶している。ご冥福をお祈りいたします。合掌。