1880年6月27日、アメリカ、バーモント州にある女の子が生まれた。1歳のとき、病気になり、目と耳と声を奪われて闇の世界をさまよっていた。ある家庭教師に出会うまで。その少女の名前はヘレン・ケラー。その家庭教師はサリバン先生。そう、「奇跡の人」のヘレン・ケラー。
今日はそのヘレン・ケラーの誕生日。
大学にいた頃、同じように三重障害の男の子がいた。彼にはいつもボランティアが付ききりで講義に出席していたのを覚えている。
講義を聞いて指点字で彼に伝える人、板書する人、おそらく講義が終わったら点訳するのだろう。
彼とは学年が三期ほど離れているから、卒業後、彼はどうなったかは知らない。
ただ、ヘレン・ケラーのことを思い出すとき、彼のことも頭をよぎる。彼は今、どうしているだろうか?