#5016 平成10年5月7日 | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。

また今年もこの日が来た…

本当に、昨日のことのように思い出す。

病院からの電話で目が覚めた。朝5時。まだ暗く、クルマのライトを点けて病院へ走った。

母はすでに意識はなく、力なく開いたら手のひらを握りしめたがすぐに開く。ずうっと母のその手を握りしめていた。

親父があとから来て、二人で見守った。

姉はすぐには来れなかった。

7時40分。機械のアラームがなり、波をうっていた心電図が真っ直ぐになった。

平成10年5月7日。母の命日。余命三ヶ月と言われたけど、半年以上生き延びた。でも、何もしてやれなかった。

その年の母にとっての最後の桜はすぐに散ってしまった。

死期を知ってか、知らずか、残念がる自分に母はこう言った。

「また、来年咲くやないの。」

その言葉が今でも頭に響く。あれから「今年の桜は今年の桜、来年咲く桜じゃない。」と思っている。

あれから17年たった。気持ちは何一つ変わらない。当時在籍していた出向先にU野さんというベテランのオヤジさんがいた。

「いつまでも、親の死に目は忘れないよ。忘れてもいかんよ。」

そう、慰めてくれたのを思い出す。そういつまで経っても忘れらない…これからも忘れないと思う。