吉行あぐりさんが亡くなられた。大変ご長命で享年107歳だった。
日本の美容師の草分け的存在であり、長らく現役で美容室を開いていた。
また、作家吉行エイスケの妻であり、同じく作家の吉行淳之助、女優吉行和子、詩人の吉行理恵のご母堂でいらっしゃった。その様子は自叙伝「梅桃が実るとき」に記され、朝ドラの「あぐり」でも放映された。
息子の淳之助氏が亡くなったときに、この方はどんなお気持ちでいらっしゃるのだろうかと思った。先に娘の理恵氏が亡くなり(記憶が確かなら喘息を患っていたはずだ)、ついで淳之助氏も亡くなった。親が平和な時代に子どもを先に二人も見送ると言うのはどんなにつらいことだったろうかと考えたのを覚えている。
晩年、美容院を閉じ、和子氏と暮らしているのを何かの記事で読んだ。「あきれるほど頑固者で楽天的な母」とコメントを和子氏は発表した。哀しみばかりにくれる生活を送ったのではないのだと推測できて、なぜだか少し安堵した…
ご冥福をお祈りいたします。合掌。
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