#4503 「夕焼けが美しい」 | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。

最初に仕事に就いた頃、識字学級のお手伝いをしていた。
差別や貧困や病気などで学校に行けず、文字が書けない、読めない人がいるのだと
知った。いや、噂には聞いていたが、実際にもう初老の域に入っている人が老眼鏡をかけて勉強している姿を見たときは正直ショックだった。

「夕焼けが美しい」と言う文章は高知に住んでいた北代色さんと言う女性が知人に宛てた手紙。直筆のお世辞にも上手いとは言えない直筆も見たことがある。

「わたしはうちがびんぼうであったので がっこうへいっておりません。
だから じをぜんぜんしりませんでした。いま しきじがっきゅうで
べんきょうして かなはだいたいおぼえました。
おいしゃへいっても うけつけでじぶんのなまえを
かいてもらっていましたが ためしにじぶんでためしにかいてみました。
かんごふさんが 北代さんとよんでくれたのでたいへんうれしかった。
夕やけ をみてもあまりうつくしいと思はなかったけれど
じをおぼえて ほんとうにうつくしいと思うようになりました。
みちをあるいておっても かんばんにきをつけて
ならったじをみると たいへんうれしく思います。・・・
これからも もっともっとべんきょうしてをしたいです。
十ねんながいきしたいです。
48年2月28日 北代 色 」

「夕焼けが美しい」とタイトルを書いたとき、この文章を思い出した。

人間はいくつになっても勉強ができる。北代さんや識字学級に通っていた人達に教えられた。


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