ラジオをつけたら、朗読が流れてきた。須磨の寺男を辞して、最後に小豆島の草庵にたどり着く…話から尾崎放哉とわかった。
数年前から尾崎放哉と種田山頭火の自由律の句に興味を持ち句集を読んでいる。放哉の句で有名なのは、「咳をしても一人」、「入れ物無い両手で受ける」。何度か、このブログにも放哉について書いている。
放哉も山頭火にしも、職を捨て、家庭を捨て破滅的な人生に、最期を歩んでいる。どこかいつか自分もこうなるのでないかと一抹の不安を抱きながらも、それでも彼らの句に惹かれる…
他人を認めないプライドの高かった放哉は肋膜炎を患い、不摂生がたたり結核も患い小豆島の草庵で41歳の生涯を終えた。臨終の際には男性の体重とも思えぬほどやせ衰えていたと言う。その最期を看取ったのは親切な農婦の老婆だったと、その朗読は語る。
山田風太郎の「人間臨終図鑑」だった。古今東西の有名人の臨終の様子を描く異色の本だ。その存在を知ってはいたが、手にしたこともなかった。今日、少し読んでみた。
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