音楽では、週間、月間、年間のベストとオールタイム・ベストがある。不動のベストと言うべきか。
ミステリでは、宝島社の「このミステリがすごい」、早川の「ミステリが読みたい」(今年からミステリマガジンの特集になった。)、週刊文春のベスト10が、その年にでた年間のチャートだ。
文藝春秋の「東西ミステリベスト100」のオールタイムベストと呼ぶべきものがある。そのオールタイムベストが25年ぶりに改訂になった。
その「東西ミステリベスト」の25年前の日本のベスト3は、
1位 獄門島
2位 虚無への供物
3位 点と線
だったが、今回は以下の通り。
1位 獄門島
2位 虚無への供物
3位 占星術殺人事件
25年前の当時、島田荘司は新進気鋭の推理作家。「占星術~」は21位だった。当時、まだ新人の宮部みゆき、デビューしていない、東野圭吾、横山秀夫、綾辻行人がランクイン。人気の伊坂幸太郎が意外と評価が低かった。
海外では25年前が
1位 Yの悲劇
2位 幻の女
3位 長いお別れ
そして、今回が
1位 そして誰もいなくなった
2位 Yの悲劇
3位 シャーロック・ホームズの冒険
今回は随分、オーソドックスなものになった。クリスティなら、自分なら、「アクロイド」か、「ABC」、「オリエント急行」を選ぶだろう。
クイーンは、ドリル・レーンの悲劇四部作なら「Xの悲劇」の方が面白いし、欧米での評価が高い。
ドイルの冒険は、近年、ロバート・ダウニー・ジュニアとジュード・ロウの映画でも話題だし、「赤毛組合」、「まだらの紐」等の名作もあるので、勧めるのだろうか。長編で勧めるなら、「四つの書名」かな。
当時、冒険小説、ハードボイルドが主流で上位を占めていたが、今回はそれらの作品の評価が低い。これは時代の波によるもので、その時々の流行り廃りがある。
今回、「死ぬまで使えるブックガイド」は少し大げさ。また、新作の名作が出て入れ替わるかもしれない。
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