先日、難破に出た折りに、久しぶりに書店へ出向いた。全く最近は、アマゾンばかり使うし、新刊書の情報には疎いから、情報を入手するのは、新聞と週刊誌の書評欄、あとはミステリマガジンで興味のあるものだけ。
ほとんどを雑誌コーナーで過ごすため、新刊書のところには行かないが、宮部みゆきの新刊が出たとか、辻村深月とか、まあ、見たら見たで、やはり、興味がつきない。
山口瞳の『行きつけの店』の文庫を見つけた。帯をみると、「復刊」の文字がある。奥付けをみると、昨年の11月とある。全く知らなかった。山口瞳が亡くなってから久しく、『礼儀作法入門』や『男性自身』も本棚からいつの間にかなくなった。
- 行きつけの店 (新潮文庫)/山口 瞳
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飲み食いに血道をあげていた頃、池波正太郎と山口瞳は一種の憧れだった。写真から見ると、難しい顔をして坊主頭のおっさんが飲んでいるのは、店側からみると嫌だろうなと思っていた。しかし、『作家の酒』によると、山口瞳の酒は愉しい酒だったらしい。
¥1,680
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あんな感じで、店とつきあえたらと思える本である。いわゆるグルメ本の類いではない。そこには山口瞳の生き方と生活が描かれている。
後年、山口瞳が亡くなってから、ご子息正介氏が在りし日の山口瞳を偲んで、「行きつけの店」を訪ねる『山口瞳の行きつけの店』が刊行された。なくなった店、代替わりした店、様々である。もし、読まれるなら、こちらも併せて読まれたらとも思う。
- 山口瞳の行きつけの店 (ランダムハウス講談社文庫)/山口 正介
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