#3010 『刑事・鳴沢了 雪虫』 | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

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雪虫 (中公文庫)/堂場 瞬一
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堂場瞬一の『刑事・鳴沢了 雪虫』を読んだ。長い間、新堂冬樹と堂場瞬一とを混同していて("堂"しか合ってないんだけど)、あのブラック新堂が、警察ものを書くのかと思っていた。(ホワイト新堂の純愛小説はめちゃくちゃいい。)

鳴沢了のシリーズは、結構人気があって、よく図書館の予約本の棚でよく見かけたので、面白いのだろうと思っていたが、今回読むのが初めてだった。

作者の初めてのミステリーだった『雪虫』は、おそらく、単発の作品で終わらせるつもりだったんだろうと伺わせる。鳴沢了がすごくストイックで描かれているが、鮫島(「新宿鮫」シリーズ)や禿富(「禿鷹」シリーズ)みたいに一匹狼でなく、かと言って安積班みたいなチームワークの人物ではない。相棒をおちょくる厭味な人間だ。人物設定に中途半端に加え、ストーリーの結末もちょっとありえないかなという感じ。

親子三代の警察官を描きながらも、佐々木譲の『警官の系譜』には遠く及ばない。

著者の『失踪人課・高木賢吾』は読んではないが、ドラマでこちらは見たことがある。こちらの方が、まだ魅力的に感じる。